「農民」記事データベース20130415-1065-05

宮城 石巻と東松島で農民連が支援活動

全国から2トンの物資が被災地に

関連/研ぎ師 初登場、大活躍


 農民連と宮城農民連は3月30、31の両日、宮城県内で支援活動を行いました。物資の支援を全国の農民連や産直センターに呼びかけたところ、北は北海道から、南は鹿児島まで、リンゴ、かんきつ類、山のような春野菜、お米など、13組織から30品目、総重量およそ2トンにおよぶ野菜や果物が届けられました。

画像
多くの支援物資も、みんなで協力して仕分け(東松島市で)

 30日は、宮城県災対連の19回目の炊き出しとなんでも相談会が石巻市の仮設住宅で行われ、農民連は物資を提供。山形県の庄内産直センターが、香川県農民連から取り寄せたさぬきうどんの炊き出しをしました。庄内産直センターと保育園給食の産直を通じてつながりのある、神奈川県横浜市の社会福祉法人「いずみ苗場の会」からも6人のスタッフがかけつけました。

 31日は、東松島市内の11戸ほどの小規模な仮設住宅で、宮城農民連と農民連全国連独自の支援活動が取り組まれ、野菜や果物、お米など120セットを、周辺の小規模仮設住宅のみなさんに提供しました。膨大な支援物資を小分けするのはたいへんな作業でしたが、事前に知らせを受けていた住民のみなさんが今か今かと物資の到着を待ち構え、にぎやかに、笑顔いっぱいに作業が進められました。

 昼食を食べながらの交流会では、「野菜の値段が高いこの時に、本当に助かりました。北海道から鹿児島まで、こんなにたくさんの野菜や果物が集まる農民連は、本当にすごい。全国の農民連のみなさんに、私たちがどれほどありがたく思っているかをぜひ伝えてください」という熱い感謝の言葉が出されていました。

 また、いまだに支援の手がまったく入っていない小規模な仮設住宅が数多く残されていることや、宮城県では被災者の医療費・介護保険利用料の減免制度が4月から廃止される問題など、復興とはほど遠い深刻な悩みも語られ、「あきらめずに、声をあげつづけよう」と、話し合いました。


刃物

研ぎ師 初登場、大活躍

画像 今回は、全国連常任委員の横山昭三さんの釣り仲間で、刃物の研ぎ師をしている菊池健さんと、その友人の武田英男さんも支援に加わり、「包丁研ぎ」というユニークな支援が行われ、好評を博しました。持ち込まれる包丁は小出刃包丁や刺し身包丁など魚をさばくものが多く、被災者の多くが海の近くに住んでいたことがうかがわれます。菊池さんの気さくな人柄もあって、包丁を研ぐ作業を見守りながら、自然とおしゃべりの輪ができていました。

 壊滅的被害を受けた雄勝町から避難してきたという年配の女性は、「やっぱり今でも魚を食べないと、食事した気がしなくてねえ。安い包丁しか買えなくて、切れなくなっていたから、研いでもらえて助かりました」と、笑顔で研ぎあがった包丁を受け取っていました。

(新聞「農民」2013.4.15付)
ライン

2013年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2013, 農民運動全国連合会