米粉を使って料理実習
ピザ・クッキーなどに挑戦
埼玉県女性部(山桜の会)総会
高温障害で「規格外」の米も
“米粉なら生かせそう”
埼玉県農民連女性部「山桜の会」は4月12日、今年で26回となる総会を熊谷市内で、14人が参加して開きました。今回のメーンイベントは、米粉や小米(砕け米)を使った調理実習です。米粉ピザ、米粉クッキー、簡単おやき、小米を使った五平餅の4種類の料理に挑戦しました。
まず下ごしらえ
総会前に、まずは下ごしらえ。米粉と小麦粉にドライイーストなどを混ぜ合わせ、ピザ生地を仕込んでおきます。
その間に、まじめに総会を開いて議案を討議します。部長の森千恵子さんが、1年間の活動を報告し、活動方針もみんなでしっかりと確認しあいました。
次は、いよいよ調理実習本番です。
料理ごとに何人かで分担して、同時並行で調理を進めます。ピザ生地をのばして具を載せて焼いたり、炊き上がったばかりの小米を五平餅にこねたり、にぎやかに相談しながら、作業は手際よくどんどん進んでいきます。そうこうしているうちに香ばしい、おいしそうな匂いが漂い始め、1時間ほどですべての料理ができ上がりました。
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ピザ作りのグループ。「あーでもない」「こーでもない」と相談するのも楽しい |
テーブルには、何種類もの漬け物やおこわ、散らしずし、タケノコの煮もの、地元野菜の摘み菜のお浸しなど、たくさんの持ち寄りの料理も並んで、みんなそろって「いただきまーす!」。
「この米粉クッキー、バターを使ってないからベタつかなくて、おいしい」、「米粉のピザ、フワフワ、モチモチだね」「簡単おやきは改良がいるねえ」など、さまざまな感想が出されていました。
加工は試作段階
埼玉県の女性部では、以前から「加工がやりたい」という声があり、料理講習会を開いたりしてきました。また廃業したスーパーの総菜コーナーを借りてリフォームした加工所もあるのですが、利用しづらい場所にあることなどから、いま一つ活用できないでいました。
そんななかで、女性部が米粉加工に取り組み始めた背景には、埼玉県ではここ数年、夏の異常高温で米の等級が下がってしまう高温障害が続いていることがあります。「規格外の米や割れてしまったクズ米をどうにかして活用できないだろうか。米粉なら生かせるのでは」――女性部事務局の阿南マチ子さんは、米粉加工のきっかけをこう話します。
さっそく地元のお米屋さんに、会員のお米20キロを1500円ほどで米粉に製粉してもらいました。製粉業が本業ではないため製粉度合いが粗く、パンなどには向きませんが、クッキーなどのお菓子作りにはむしろ向いているようです。「雪害支援に」と米粉クッキーを試作して販売したところ、こちらも大好評を得ることができました。
「米粉加工はまだ試作段階で、加工所を使って大々的に取り組むとまではいかないけど、今後も経験を積み重ねて、形あるものにしていきたい」「いずれは女性部の財政活動にも」と、夢が広がっています。
米粉ピザ
《材料》
●ピザ生地
米粉125グラム
小麦粉125グラム
ドライイースト6グラム
ぬるま湯大さじ1
水150〜180cc
砂糖小さじ1/2
塩小さじ1/2
オリーブ油小さじ1
●トッピング
とけるチーズ、ピザソース、薄切りタマネギ、薄切りまたは輪切りピーマン、ベーコン、ハム、桜エビ、コーンなど好みで
《作り方》
(1)小さい容器に、ぬるま湯(30℃)大さじ1と、ドライイーストを入れ、膨らませておく。
(2)ボールに、ドライイースト以外の生地の材料を入れて均一に混ぜ込み、ドライイーストを加える。
(3)水を少しずつ足して、耳たぶくらいの固さになるまで様子を見ながらゴムベラで混ぜる。
(4)耳たぶくらいの固さになったら、よくこねる。こねたら30〜60分くらい生地を寝かせる。
(5)生地をなめらかになるまでよくこねて2等分し、クッキングシートに3ミリの厚さに棒で丸く伸ばす。
(6)生地にピザソースを塗り、好みの具、チーズを載せて、焼く。
(7)フライパンの場合は、フタをして強火で1分→中火で2〜3分→弱火で10分。バーナーがあれば、最後に表面をあぶって焦げ目をつけるとおいしい。
(8)オーブンやオーブントースターの場合は、生地サイズを小さめにし、裏面に薄く焦げ目がつくまで焼く。 |
米粉クッキー
《材料》
米粉200グラム
米油50cc
砂糖80グラム
卵1個
小麦粉(手粉用)少々
《作り方》
(1)ボールに米油を入れ、砂糖を加えてゆっくりとよく混ぜる。
(2)(1)に卵を加え、よく混ぜる。
(3)(2)に米粉を入れて、じっくりと混ぜる。
(4)クッキーの形にして、鉄板に並べる。形を作る際にくっつく場合は、様子を見ながら米粉を少しずつ足す。
(5)オーブン、またはオーブントースターで20分くらい、焼き色を見ながら焼く。 |
(新聞「農民」2014.5.5付)
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