この人
女性猟師「狩りガール」農民連青年部副部長 
長野・山ノ内町 湯本真理子さん(30)
  
 山の恵みを生活に生かせたら
 
 近年、猟師の高齢化が進むなか、新たな担い手として増えてきた女性猟師「狩りガール」に注目が集まっています。その「狩りガール」が農民連青年部にも誕生しました。長野県山ノ内町の湯本真理子さんです。
 湯本さんの家は2町歩ほどのリンゴと桃を栽培しています。湯本さんはキューバへの農業研修、輸入雑貨店勤務を経て2012年に実家に戻りました。おやき(小麦粉やそば粉の皮で、野菜などのあんを包んで焼いたもの)職人の修業をした後に、農業につきました。「私なんてまだ、はじめたばっかりのひよっこです」と謙虚な湯本さんです。 
 狩猟免許を取ろうとしたきっかけは湯本さんの畑が山際にあり、よく有害鳥獣の駆除を地元の猟友会に頼んでいたことでした。「猟友会の人の高齢化が進んでいて、自分でも何とかしなければいけないと思いました」と湯本さん。昨年11月ごろに決心し、6月についに猟銃が届きました。「今後1年間は先輩たちと一緒に回って修行です。駆除には参加できませんが、家で構え方の練習をしています」と話します。 
 湯本さんが農民連青年部に出合ったのは4Hクラブの視察でした。「現部長の植田修さんから『総会におやき作りに来て』と誘われて2012年の総会に参加しました。参加してみたらいろいろな人たちがいて面白く、青年部に入りました」ときっかけを語りました。 
 将来は「規模を大きくしようとは思いません。小さな農家のまま、山の物を利用した暮らしを周りの人と共有できたら」と山とともにある暮らしを摸索。「農業に興味がない人でもかかわって見ると興味を持ってくれることがわかりました。温泉に来た人たちを、どう巻き込んでいくかが課題です」 
 青年部の副部長としても「分不相応な役職を頂いたとは思いますが、自分も成長していけたら」と抱負を語ってくれました。 
         (新聞「農民」2014.7.7付) 
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