「農民」記事データベース20141215-1146-05

長野県神城断層地震

中山間部の農業被害
つかめず対応に遅れ

関連/長野県神城断層地震被害募金


波打つ田んぼ真ん中に大亀裂

 11月22日夜10時8分頃、長野県の北部を震源とする強い地震がありました。地震発生から1週間余り経過した頃から被害の実態がわかってきました。46人が負傷し、損壊した住宅などが1200棟余りとなっています。

 しかし、過疎化している中山間地や農地の被害の実態はまだ十分把握されていません。特に平成の合併で統合された旧村部では行政の手当てがなく、「地震が発生しても支所(旧村役場)には職員が誰も来ない」「地震発生後、1時間近くたってから防災無線で注意を促すアナウンスがあった」(長野市鬼無里=きなさ=の農民連会員)等の話があり、被害がすぐにつかめず対応が遅れています。地震直後から地域のコミュニティーが機能した白馬村とは全く違います。

 笹渡事務局長が現地視察

 11月30日に、農民連本部の笹渡義夫事務局長が白馬村の被災地を視察しました。加藤亮輔村議(日本共産党)と新聞「農民」読者の郷津敏明さんの案内で家屋被害の大きい神城地区と、直下に神城断層がある神城地域、大出地域の田んぼや畑を2時間にわたってつぶさに見て回りました。

 神城・大出地域の田んぼのいたるところで全体が波打っています。田が傾き3反歩の田んぼの片側一方に雨水が25センチもたまっていました。田んぼの半分が50センチ以上隆起したため、遠くから見ると2枚の田んぼのように見え、田の真ん中に深さ50〜60センチ、長さ10〜20メートルの亀裂が入ったところもありました。

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亀裂ができた田んぼを視察する加藤村議(左)と笹渡事務局長

 長野県は、災害救助法を適用していますが田の修復にはその範囲では個人の負担が大きすぎます。国に「局地激甚災害」に指定させ、個人の負担がほとんどないようにさせる取り組みが緊急に必要です。栄村では、この指定により多くの村民が農業を続けることができました。

 白馬村の主な産業は観光です。夏は北アルプスとふもとの自然に癒され、冬はウインタースポーツのメッカとして観光客が訪れます。豊かな自然あっての白馬村です。

 この白馬村で農業が衰退することは、村の重要な観光資源がなくなることにもなります。地域再生と復興のために全国連の協力のもと取り組みを強めます。

(長野県農民連 宮澤国夫)


長野県神城断層地震被害募金
ご協力を 農民連
 農民連は「長野県神城断層地震被害救援募金」へのご協力を訴えます。振込先は次の通りです。
 【郵便局から】
記号 10030
番号 61671711
名義 農民連災害対策本部
 【郵便局以外の金融機関から】
銀行 ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
種目 普通預金
口座番号 6167171
名義 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2014.12.15付)
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2014年12月

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