本の紹介
鈴木宣弘著 
「岩盤規制」の大義
  
 TPP推進、農協「改革」 
のウソやごまかしを論破
 
 「TPP反対」を訴えて精力的に活動している著者の最新刊。本書ではTPP問題に限らず、「岩盤破壊」の名の下に安倍政権が進める政策の全体像を広くとらえ、厳しい批判を展開しています。
 そもそも「岩盤規制」とは何か。著者によれば、それは「助け合い、支え合う安全・安心な地域社会」を守るためのルールですが、企業利益の最大化を至上とする人たちにとっては障害物でしかありません。彼らは「今だけ、金だけ、自分だけ」のよこしまな要求を押し通すために、「イコール・フッティング(対等な競争条件)」などさまざまな議論を持ち出して人々の目をくらまそうとしますが、これらにだまされてはいけないというのが、著者の基本的な主張です。 
 本書はこうした立場から、TPP推進論や農協「改革」論などにまつわるさまざまなウソやごまかし、言い訳を次々と論破していきます。小冊子ながら、地域社会の持続的な発展を願う著者の熱意が伝わる一冊です。 
  A5判 88ページ 
 定価 800円+税 
 農山漁村文化協会(農文協) 刊 
 TEL 03(3585)1141
  
        (新聞「農民」2015.5.4付) 
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