「農民」記事データベース20150824-1178-10

戦争は絶対やってはいかん

二本松市原セ地区「戦争いくさ展」実行委員会
代表世話人 石川晃雄さん(73)


名簿作りなど記録残したい

 今年は戦後70年。各地で、地域の戦争の記録を残そうという取り組みが始まっています。福島県内でも各地で戦争展が開かれています。二本松市原セ地区で開く「戦争(いくさ)」展の実行委員会で代表世話人を務める石川晃雄さん(73)に聞きました。

 原セ地区から300人近い若者が戦地に出向き、60人以上の方が帰らぬ人となりました。また、戻られた方も様々な人生を送られ、70年を経た今、「戦争」が忘れられようとしています。

 そこで、終戦70年の節目にあたり、帰ってこられなかった方々に思いを寄せ、「絶対に戦争をやってはならない」との誓いを込めて、「戦争(いくさ)展」を企画しました。

 自衛隊が戦地に行くということで、特措法(2001年)ができたとき、かなり論争がありました。そのときに、福島県人があの戦争で何人亡くなったのか、市町村ではどうだったのか具体的数字で訴えられたら説得力があるだろうということになりました。しかし、正確な数字はわからないままでした。

 当時の史料も「進駐軍が来るから燃やせ」「軍国主義にかかわったものは処分しろ」と、あいまいにされているものもあります。

 亡くなった方の階級や場所などの名簿を作って、地域の共有情報にしたいと思いました。慰霊碑から原セの人を抜き出せばいいと考えましたが難しい。聞き取り調査も行いましたが、家が途絶えてわからなくなっていたり、名前はあるが、家はないということもありました。

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戦没者地域別一覧の前に立つ石川さん

 亡くなった人は、「戦争は絶対にやってはいけない」という声をあげられません。その思いを帰ってきた人が伝えなくてはなりません。10年後、100年後に記録としてきちんと残り、研究できる史料をとして残すことが大事です。

(新聞「農民」2015.8.24付)
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2015年8月

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