都市農業振興基本法 
東京農民連が学習会
都市農業を続けられるよう 
基本法を実効性あるものに
  
 4月に成立した都市農業振興基本法の学習会が10月17日、東京都清瀬市で開かれました。 
 東京農民連の田中山五郎会長が「連綿と続いている農業を残していきたい」と主催者あいさつしました。 
 
  
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    あいさつする東京農民連の田中会長  | 
   
 
  住民と農家の声聞き
 現場からの発言では、東京農民連副会長で小寺農園園主の小寺理一さんが「体験農園『畑の仲間・清瀬』」の取り組みを紹介し、生徒が自主的にサポート会議を開くなど、参加者が楽しく主体的に関わっている様子を紹介。収穫祭などで交流を深め、「基本法を農園にとってもいい方向に機能するよう実効あるものに」と述べました。
 杉並区の金子けんたろう区議(日本共産党)が「杉並区の緑地保全方針について」のテーマで報告。区内の屋敷林や農地が年々減少していることから、区が農業公園の設置など農に親しむ環境づくりの方針を進めていることを語り、「住民と農家の声を生かしながら、杉並に農業と緑があることを理解してもらう取り組みを進めたい」と発言しました。 
 小平市の細谷正市議(日本共産党)は「小平の『農のあるまちづくり』農業公園」について語り、市として、これまで援農ボランティアや体験農園などに取り組んできた経緯を紹介。こうした施設と関連性をもちながら役割を分担し、その機能をさらに発展させるものとして、「農業公園」の設置が検討されていることを述べました。 
  良好な環境の形成を
 武蔵大学の後藤光蔵教授(農水省都市農業の振興に関する委員会座長)が「都市農業振興基本法の意義と今後の課題」と題して基調講演。「基本法」について、都市農業振興の施策を計画的に推進し、都市農業の安定的な継続と良好な都市環境の形成に資することを目的に制定されたことを強調しました。
 また、市街化区域内農地について、国土交通省や農水省が「都市の景観形成や防災性、多様なレクリエーションなど、農業・農地は守り、将来にわたって存在することが必要」だと位置づけていることを語り、施策実施のために、法制上、財政上、税制上、金融上の措置を講じるよう求めていることを指摘しました。 
 都市農業が今後目指すべき方向について、自然循環機能の維持・増進などが「基本法」では不十分であると述べたうえ、農業の工業化、自然の循環を断ち切った農業など、「多国籍企業が推進するグローバル資本主義とのたたかいがこれからも必要」だと結びました。 
         (新聞「農民」2015.11.9付) 
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