「農民」記事データベース20160201-1199-20

福島の農家を招いて
“お餅つき大会”

オルガン堂 東京・下北沢


農家と消費者とのつながりさらに強く

 東京と福島を結ぶオーガニック・カフェ、「ふくしまオルガン堂下北沢」(東京都世田谷区)は1月16日、福島の農家を招いて「お餅つき大会」を開き、参加者みんなで新年を祝いました。

 午後1時と2時の2回、二本松産のもち米を使って餅つきが行われ、おとなは軽々ときねを振り上げ、手際よくついていきます。初めは恐る恐る見ていた子どもたちも、「僕もやりたい」とおとなの手を借りながらきねを握りました。

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お父さんと一緒にお餅をついたよ

 ついた餅は、きな粉とあんでふるまい餅として、参加者に無料で提供されたほか、お雑煮などの料理で出されました。


大震災から5年目の福島
被災の現状聞き話し合う

 お餅で空腹を満たしたあとは、「東日本大震災から5年目の福島を語る」お話し会。二本松市の菅野正寿さん(福島有機農業ネットワーク代表)が福島の現状を語りました。

 震災関連の自殺者も減らず、田畑や山林はいまだに放射線量が高いこと、損害賠償も打ち切られようとしていることなどにふれながら、「原発事故は収束どころか、多くの人々の心の中に突き刺さっている」と述べました。

 一方で、新たに、農業体験ツアーなど、福島に正面から向き合おうという取り組みも始まっていることを紹介し、「戦争と原発は次世代に伝えるわけにはいかない。子どもたちと一緒に野良を駆け回る日々を取り戻し、次につなげていきたい」と展望しました。

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福島の現状を語る菅野さん(右)

 最後に、オルガン堂店長の佐藤達也さんは、「このつながりを忘れないよう、ぜひ福島に足を運んでください」と呼びかけました。

 神奈川県大和市から参加した谷口宣雄さん(74)=年金生活=は、「福島の農業は、原発事故で厳しくなっているうえに、さらにTPPで影響がでることが心配されます。農家と消費者がつながることが明るい希望ですね」と話していました。

(新聞「農民」2016.2.1付)
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2016年2月

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