浜の一揆訴訟 
意見陳述
(岩手)
  
 延え縄ではサケ漁獲は十分でない 
県の言い分は実態に合わない
 岩手県の小型漁船漁業者が刺し網によるサケ漁の許可を求めて県を相手に起こした「浜の一揆訴訟(さけ刺し網漁不許可取消・許可義務付請求訴訟)」の第3回法廷が、5月20日、盛岡地方裁判所で開かれました。
 原告団は、澤藤統一郎弁護士に続き、田野畑村の工藤茂益(くどうしげえき)さんが意見陳述を行いました。工藤さんは延(は)え縄漁でサケをとってきたが、十分な漁獲を得られない実態を説明。県は漁民の要求に対して以前にも「刺し網漁ではなく、許可している延え縄でサケをとればいい」と答えていましたが、これが実態にあわないことが今回の意見陳述で改めて明らかになりました。 
 
  
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    報告する澤藤弁護士  | 
   
 
 
  
 盛岡市で報告集会開く
 原告団は続いて盛岡市内で報告集会を開催。原告団代表の藏徳平さん(岩手県漁民組合組合長)は「全県の漁師が集まってこうやって声を上げ続けている背景には、全国からの応援がある。引き続き力を合わせてがんばろう」と呼びかけました。
 澤藤弁護士は「3回の意見陳述で、漁民の実態はかなり鮮明になってきており、裁判所にも私たちの主張が伝わってきている」と、今回の法廷の特徴を解説。あわせて、県が「以前にこう決めたから許可しない」と言うだけで具体的な事実や理由を説明しておらず、裁判所からも次回法廷で県側は具体的に述べるようにというコメントがあったことを報告しました。 
 集会には全県から35人が参加。来賓として、岩手県漁民組合の設立から支援を続けてくれている神奈川県座間市の藤村高さん、重美さん夫妻と、農民連本部の笹渡義夫副会長があいさつしました。岩手県農民連、岩手県生活と健康を守る会からも連帯の発言がありました。 
 
  
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    藤村夫妻があいさつ  | 
   
 
 次回は8月5日に口頭弁論が行われます。
         (岩手県農民連 岡田現三) 
         (新聞「農民」2016.6.13付) 
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