農民連青年部
雪掘り体験ツアー
体を動かして初めてわかった
雪国生活は大変だ!
新潟県十日町市松之山へ
世界でも有数の豪雪地帯、新潟県十日町市松之山。魚沼米の産地でもあります。山深い農村の生活を体感してほしいという願いで、農民連青年部は「雪掘り(雪かき)ボランティアツアー」を1月20、21の両日に行いました。
こんなすごい雪 初体験の雪景色
年明けは全く雪が積もっていない状況から一転し、開催一週間前の急な降雪で積雪量が0から2メートル超になり、急きょ参加を募集。農民連定期大会での呼びかけに、茨城農民連の入江赳史さん(27)が応えました。
暖かい日が続き、積雪は1・5メートルほどに減りましたが、その分締まって重い雪に。例年よりは少ない積雪ですが、常総市出身の入江さんは初めて体験する雪景色に「すごい雪が多いですね」と驚きっぱなしです。
現地の青年部幹事、相澤堅さん(36)と合流し、水梨集落へと向かいます。雪掘りをするのは相澤さん宅の裏手にある家です。1階の半ばが雪に埋まり、屋根の上には1メートル以上の雪が積もっています。このままでは雪の重みで家が潰れてしまうので、屋根の雪を下ろしていきます。
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スノーダンプで雪をおろす入江さん |
真冬でも汗だく 全身びしょ濡れ
長靴の上に「かんじき」を履いて準備万端。作業開始です。「ひさしの部分には雪庇(せっぴ)があるので雪の端から1メートルは踏まないように」と、相澤さんからスノーダンプ(除雪用の道具)の使い方と注意事項を聞きます。後は一心不乱に雪を落としていきます。真冬にも関わらず全身から汗が噴き出し、雪と汗で全身びしょ濡れになりながら、スノーダンプで雪のブロックを切り出し、屋根の下に落としていきました。
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おろした雪がこんもり山に |
夕方にはほぼ終わりが見えるところまで作業が進み、いったん中断。日本三大薬湯の一つと言われる松之山温泉で身体を温め、夜はグラスを片手に、思う存分語り合いました。
豊作祈るどんど焼きに参加
雪国の人々の“暖かさ”感じた
翌朝は残りの雪を落として、作業終了。その後、水梨集落のどんど焼きに参加しました。歳の神に豊作を祈る儀式で、降雪のため1週間遅れで行われました。火を囲み、あぶったイカとお神酒をいただきます。最後は厄年の人や年男、年女が、厄払いをし、福を分かち合うため、ミカンやお菓子をまきます。参加者はそれをはしゃぎながら拾いました。
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どんど焼きでイカを焼いています |
初体験の雪国の暮らしに触れた入江さんは「すごく暖かい人たちでまた来たいと思いました。自分も常総市の水害時にいろいろな人にお世話になりました。少しでも役に立てたらうれしいです。身体を使って大変な思いをすることで初めて分かることもあると思うので、これからもいろいろなことを体験していきたいです」と感想を話していました。
(農民連青年部 渡辺信嗣)
(新聞「農民」2017.1.30付)
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