「農民」記事データベース20180115-1294-07

岩手県農民連 女性部

155カ所目の支援活動
in 陸前高田市


温かい炊き出し支援で
被災地の住民に笑顔を

 未曽有(みぞう)の被害をもたらした東日本大震災から7年近く。岩手県農民連女性部では、1年に数回というペースですが、いまでも粘り強い支援活動が続けられています。12月14日(2017年)には、155カ所目となる支援活動が陸前高田市の市営住宅の集会所で行われ、かけつけた多くの住民の皆さんの明るい笑顔であふれました。

 準備も作業も「あうん」の呼吸

 この日、炊き出しの支援活動が行われたのは、震災後に高台の脇ノ沢地区に新しく建設された災害公営住宅の集会所です。太陽がサンサンと差し込み、明るく温かい集会場には、60人近い住人の皆さんが、所狭しと集まりました。

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準備や盛り付けもあっという間に完了。そのやりとりはコントのよう

 メニューは、お雑煮、あんこもち、ゴボウワサビ(別名ホースラディッシュ)をからめた辛味もち、切り干し大根の煮物、キウイフルーツなど。岩手県でも内陸にある花巻市、江刺市などから7人(うち1人は男性)の女性部員が参集し、餅をついてくる係、あんこを煮る係、お雑煮の出し汁を用意する係など、準備も手分けして行い、万端の構えです。

 155カ所目ともなると、荷物の運び入れから、盛り付けまで、作業は「あうん」の呼吸。70食近いお料理が1時間あまりで滞りなく提供されました。

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ホカホカのお雑煮に、みんなも笑顔

 みんなに会えて元気が出ました

 参加した住人の村田静子さんは、「こういう支援は本当に久しぶり。この脇ノ沢住宅のもともとの地域も津波にのまれて、本当に文字通り、何もなくなりました。仮設住宅ではみんなで何でも話し合って、力を合わせて乗り越えてきたけど、新しい災害住宅に移ってからは、それぞれ今の生活に夢中でなかなか会う機会もなく、寂しく思っていました。今日は久しぶりにみんなに会えて、元気が出ました」と、笑顔で話してくれました。

 いま被災地では高齢化がすすみ、仮設住宅を離れて公営災害住宅に入居したものの、高齢者だけの世帯や独居世帯などが増えています。「だからこそ、女性部の皆さんが炊き出し支援に来てくれたことで、孤立しがちな住民同士が顔を合わせられる良い機会になりました。今日は本当にありがとうございました」と言うのは、陸前高田市の大坪涼子市議(日本共産党)後援会で会長を務める金野ミエ子さん。「農民連さんには津波の直後にも車に支援物資を満載して、何度も支援していただきました。洗濯機までいただいて、どれほど助けられたことか」と、これまでの支援で語ってくれました。

 「温かくて、おいしいお料理を、ありがとう」「友達にも会えて、久しぶりに楽しい時間が持てました」――帰り際、参加者全員が農民連の女性たち一人ひとりと笑顔で握手して、155カ所目の被災地支援が終わりました。

(新聞「農民」2018.1.15付)
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2018年1月

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