春の大運動 
農民連に入ってよかった
 いま農民連は、会員と新聞「農民」読者を増やす「春の大運動」に取り組み、全国各地で奮闘しています。税金学習会、ものづくり相談会などを開催し、多様な要求で加入した会員のなかで、「農民連に入ってよかった」との喜びの声が寄せられています。奈良県と鹿児島県の取り組みを紹介します。
  
  
 奈良県農民連 
結成30周年の年に
税金・産直・ものづくり 
多様な要求で新会員続々
 奈良県農民連は3月19日で前身の「奈良の農業と農民の経営を守る会」の結成から30周年を迎えます。
 30年前に43世帯で出発し、昨年末で843世帯となりました。農家の税金・産直・労災・新規就農支援などの切実な要求に徹底して応えた活動が農家の共感を得て約20倍の組織に発展してきました。しかし、県内の販売農家は減少したとはいえ1万戸以上あり、組織は1割にも達していません。 
 今年は4けたの農民連組織の建設を目標に春の運動でも50人以上の仲間を迎えるため、年初から各センターでの「税金・産直なんでも勉強会」を産直センターとの二人三脚で開催し、多くの新入会員を迎えました。 
 
  
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    夫婦そろって税金の記帳  | 
   
 
  若い新規就農者の入会者も増え
 また、2月23日には地元の種苗会社や肥料を作ってもらっている地元の肥料会社などから講師を招いて「ものづくり勉強会」を開催し、70人を超える参加者全員がものづくりへの決意を新たにする活気みなぎる学習会となりました。
 この2カ月で各地域センターでは税金や産直で新しい仲間が次々と増え、県連全体で40人を超えました。税金の申告で悩んでいた多くの新入会員が農民連の税金ノートを見て「新聞代や香典まで経費に入れられるんですか?」と驚きます。 
 今年初めて農民連の税金ノートを使って申告した明日香村の小倉茂次さん(68)は「このノートはほんまにうまいことできてまんな。このノートなかったらとても無理やわ」と税金ノートを絶賛。また奈良市の大野さんは「農民連の3業種ノートを使って農業と不動産の収支計算をしたら経費が100万円もひろえ、所得が下がりました」と感激していました。 
 
  
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    みんなで税金の勉強会=3月5日、奈良市  | 
   
 
 また、若い新規就農者の入会者は、10人を超えました。小松菜の出荷にがんばる久留野駿兵さん(24)は「僕みたいな出荷が初めての新規就農者でも安心して出荷できます」と喜んでいましたが、産直センターの水井康介事務局長は「10月の台風被害でものがなかったときに、久留野さんの小松菜は救世主でした」の感謝の声。 
 今、奈良県連は仲間づくりの目標達成とともに、地域の農業や農地だけでなく、農村全体の活力を大きくしていく春の大運動にしようと最終盤の猛奮闘が広がっています。
         (奈良県農民連 森本吉秀) 
 
  
 鹿児島・大崎農民組合 
税金対策で
畜産農家など5世帯が加入 
経営振り返る良い機会に
 これまで「団体加盟」であるとして新聞「農民」の普及や鹿児島県農民連の要請などにあまり力を入れてこなかった大崎農民組合に変化が生まれ、連帯と共同の動きが始まっています。
 2月8日、大崎町持留の農業改善センターで開催された大崎農民組合の第29回総会には、初めて鹿児島県連の正副会長、事務局長が参加してそれぞれ連帯のあいさつが行われました。 
 総会では役員の再選や監査報告、予算・決算の議案も可決、役員8人も再選され、新たな出発が確認されました。総会後の懇親会でも県内や全国の農民連との情報の交換が約束されました。 
 税金関係の帳簿は7年間の保存が義務づけられていることを知ると、今年初めて農民連の記帳簿が50冊普及され、記帳が始まっています。これまでは収支内訳書の内容をプリントした用紙に経費を書き込んで持参し、計算していました。 
 税金の計算会・記帳会は集落ごとに2月13日から、大崎農民組合の実質的な事務局長である稲留光晴さん宅で行われています。今年は会員の紹介などで畜産農家など5世帯の農家が新規加入しました。 
 
  
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    大崎農民組合の税金申告書き方会=2月26日  | 
   
 
 新しく農民連の会員となったAさんは「これまで役場職員の言いなりの申告だったけれど、こうして改めて自分の経営を振り返る機会が持ててよかった。農業と家事経費のあん分などたいへん勉強になった」と話していました。「売り上げはごまかさない、経費はチリひとつ見逃さない」という自主計算が勉強会で強調されています。 
 大崎農民組合の会員の半数以上が牛の畜産農家です。それだけに1頭100万円以下の牛に適用される減免制度を有効に活用する仕組みが大事です。また経費の見方なども学んでいます。
         (鹿児島県農民連 宮地利雄) 
         (新聞「農民」2018.3.12付) 
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