農家が得する 
税金コーナー 
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 今年は固定資産税の評価替えの年
審査申し出の早めの準備を
 2018年は、固定資産税のもとになる評価額の評価替えの年(3年に一度)です。評価額に対して審査の申し出ができるのは評価替えの年だけです。
  (1)心構え
 固定資産税の課税は、所得税の「申告納税」方式と違い「賦課課税」方式です。納税者が所得と税額を自ら計算し申告する「申告納税」方式では、税務署が事後調査で税額の誤りを正しますが、固定資産税の場合は、納税者が税額の誤り(評価額の誤り)を正す立場に立ちます。市町村内のすべての土地と建物を、少人数の職員で評価するので、誤りが少なからずあります。まずは、自分の固定資産の評価額をチェックしましょう。
 固定資産税は、国保税の資産割や相続・贈与税の評価と課税にも影響が及びます。農業所得が厳しいなか、この取り組みはいっそう重要になっています。 
  (2)審査申し出制度
 市町村が決定した価格に対しては、審査申し出の制度があります。固定資産税の課税台帳の縦覧は、多くの自治体が4月1日から20日または最初の納期限のいずれか遅い日までです。価格に不服があるときは、縦覧開始日から納税通知書が来た日の60日後までの間に、固定資産税評価審査委員会に審査申し出をすることができます。
  (3)チェックポイント
 土地や家屋の全てについて、一筆ごと一家屋ごとに評価額の1平方メートル単価を計算して、近隣のものとの比較をしてみましょう。評価額に不服がある場合、市町村長に対し、評価額にかかわる資料を請求して、実際にその資料の数値などが正しいか、メジャー(巻き尺)などをもって実地検証してみましょう。
 主な留意事項は次のとおりです。 
 (1)課税されている建物が、実在しているか。課税地目と現況地目が一致しているか。 
 (2)その土地の路線価と、その土地の標準地の路線価の比較(幅員、標準地からの距離、環境条件など)をする。 
 (3)画地計算法(奥行き、間口、崖地、不整形地などの補正が現状に即して適用されているか)を確認する。 
 (4)市街化区域農地については、造成費算定の際の盛り土などの高さが現状どおりになっているか。 
 (5)生産緑地、市街化調整区域、農用地区における農業用施設用地の評価が、農地なみ評価額+造成費になっているか。また、造成費算定は実際に支払った造成費になっているか。 
 仲間と一緒にチェックポイントに沿った確認作業を運動化しましょう。
         (税金対策部) 
         (新聞「農民」2018.3.26付) 
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