農民連食品分析センター食の安全・安心へ機能発揮
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検査したのは、前回の分析で農薬が検出されたサンシュユ、ソヨウ、タイソウ、チンピに加え、キジツ、シャクヤク、オウゴン、ソウジュツの8種類。漢方薬は通常、さまざまな薬を組み合わせて煎じて(煮出して)服用しますが、その元となる生薬を検査しました。検体の入手先は東京都内の個人経営の漢方薬局です。
さて、結果は別表のとおりでした。
前回よりは数値は改善しているように見えますが、ミツバチの大量死(蜂群崩壊症候群)の原因ではないかと議論が高まっているネオニコチノイド農薬や、輸入果物のポストハーベストに使われるイマザリルなどの防カビ・殺菌剤、有機リン系殺虫剤で、シックハウス症候群の原因物質として知られるクロルピリホスなどが検出されました。
なかでも問題なのは、2・4−Dと呼ばれる除草剤が検出されたことです。2・4−Dはベトナム戦争では枯葉剤の材料として使われた農薬で、人間に対する毒性としては、肝毒性や生殖毒性なども指摘されています。
9割を輸入に頼る漢方薬ですが、ではその残留農薬の基準はどうなっているでしょうか。2003年の分析センターの検出後、厚労省は農水省やメーカー団体などと共同で研究班を設置し、漢方薬メーカーに調査徹底を指示するなど、一定の改善に乗り出しましたが、国による規制基準はいまだに設定されていません。
しかし自主基準の設定がされていない農薬もあるなどの問題や、今回のように一部の生薬からはいまだに残留農薬がなくならない実態があり、国は漢方薬の安全対策を業界団体まかせにせず、責任を持って対処することが求められています。
[2018年6月]
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