ふるさと 
よもやま話
奈良県農民連副会長 
山口隆弘
  
 特産品は二十世紀梨
 ミネラル分多く梨の糖度が高い
 特産品は、歴史的にも明治中頃から「二十世紀梨」を中心に栽培されてきました。大阿太高原の赤土は、粘土質でミネラル分が多く含まれ、梨の糖度を高めています。明治35年に札幌農学校出身の奥徳平氏が大淀村薬水に入植し、それから二十世紀梨(当時は凱歌梨と命名)の栽培が始まり、周辺の農家に広がっていきました。
  果樹組合を結成 息子も農業参入
 1967年に「大淀町果樹組合」が結成され、現在組合員43人で約40ヘクタール栽培されています。
 わが家も早生(わせ)種「なつしずく」、中生種「二十世紀」、晩生(おくて)のあたご梨など6種類の梨とその他、ブドウ、リンゴ、富有柿、ミカンとすべて有機肥料で栽培し、経営の95%が直売と通信販売です。 
 2年前から息子が就農し、近くで梨園をやめる人がいて、借り入れ面積も増え、新品種を導入して新たな経営に向かって進んでいます。 
 しかし、今年は台風の多さと、台風21号により、ついにわが家にも被害がでました。梨は風に弱く、2〜3割が落果してしまいました。木に残っているものも傷を負って、商品価値もなくなり、販売もたいへんでした。自然に起こる地震、局地的豪雨などによる災害……。地球は今後、どうなってしまうのでしょう。 
 
  
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    白い梨の花  | 
   
 
  地域の活性化をさなて村づくり
 そこへ来年10月に消費税10%増税、家族農業がつぶされる! 農家はこつこつとがんばってやっているのに、増税なんて絶対許せない! みんなで反対していきましょう。
 以前から、「地域を活性化できたら」という話は頻繁にでていたのですが、15年前に佐名伝分村合併50周年事業が行われ、イベント後の反省会のとき、何かしようと有志15人が立ち上がり、「さなて村づくりの会」が発足し、私が代表を務めています。 
 ソバ収穫祭で地域活性化を
 若い会員加わり住んでよい村に
 遊休農地に、みんなが和む花「コスモス」「菜の花」などを植え、また、ソバ作り(種まきから製粉まで)も行い、年1回の収穫祭をソバ手打ち体験と、ざるそば1食100円でもてなしています。
 また、地元野菜、果物、加工品などの販売もし、毎年大盛況で楽しんでいます。 
 若い人の会員も少し加わり、何かを理解していただいているのかなと思います。これからもふるさとを愛し、住んでよかったと思える村にしていきたいです。 
         (新聞「農民」2018.11.5付) 
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