「農民」記事データベース20190805-1371-09

農家が得する
税金コーナー
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税金対策部員の養成は
仲間づくりのカギ

兵庫と和歌山の取り組み

 税金対策部員の養成は、農民連の仲間づくりにあたって絶対にやり遂げなければなりません。とはいえ、その養成は1年や2年で完成されるものではありません。何年も継続して、組織としてその力を蓄積していかなければなりません。継続して部員養成に注力している兵庫県農民連と和歌山県農民連の取り組みを紹介します。

 兵庫県農民連

 兵庫県農民連は6年前、県連として養成講座を2年連続して開講しました。税金にほぼ白紙の状態から、事務局と役員で座学を受講。翌年の春には、思い切って地域で「税金なんでも勉強会」を開催しました。

 田中眞一郎事務局長は、「現場でさまざまな質問や悩みの声に対応したことで、座学で学んだことが、身についていった」。そして「わからないことがあればその都度、他県の農民連のベテランに電話をかけて相談し、援助してもらった。この現場で苦労したことが2年目の座学で確認できたこともよかった」と語ります。

 1年目の春の大運動は、税金での仲間作りが初めてということもあり、会員も含めて30人の農家と対話し、10人の新しい仲間が増えて大感激でした。2年目以降は数人の拡大にとどまっていますが、「税金で仲間を増やす」ことを柱にすえて、春の大運動に取り組み、税金対策部員としての力量は着実についてきています。

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兵庫県農民連による確定申告の勉強会

 連続講座開催から6年目の今年の春、県内8カ所で「税金なんでも勉強会」を開催。養父市、加東市、佐用町で6人の新しい仲間が増えました。

 前年に加入した会員たちが、「やってよかった」「税金ノートを使って、裏づけを持って申告するから値打ちがある。農民連会員が町役場に申告書を提出したら、佐用町職員が農民連の申告はダメだと言い出して職員が相生税務署にその場で電話すると、税務署員から農民連のやり方でよろしいと言われた。これからは町役場よりも農民連」と友人を誘ってくれた結果です。兵庫県連の課題は、なんと言っても多くの税金対策部員の養成です。

 和歌山県農民連

 和歌山県農民連事務局の長田倫子さんは、3年前に初めて近畿ブロックの連続講座を受講し、今年の受講で3回目。1年目は、税金の知識も経験もまったくなく、ヨチヨチ歩きながら、テキストを読み、問題を解いて、添削を受けました。

 1年目の講座で身についたことは「農業経費の区別がわかるようになったこと、そして農民連の確定申告の手引きのどこを見たらいいのか、使い方を教えてもらったことの2つ」と長田さんは言います。

 講座受講の翌年の春から税金記帳会に参加。1年目は民商事務局を退職した経験者に付き添ってもらい、現場での対応の仕方も含めて教えてもらいました。そして現場で出された質問や事例をその都度、農民連の確定申告の手引きに付せんをつけて確認し、自分の財産にしていきました。

 2年目の連続講座では、長田さんの解答用紙を添削した本部税対部の担当者は「毎回ほぼ満点の解答用紙にびっくり」と感想を述べています。

 春の大運動2年目は、約150人の会員を経験者と半分ずつの割合で分担。今年の春の3年目は、ほぼ独り立ちして対応しています。長田さんの対応の優れたところは、会員自身が申告書の下書きも提出用も書き込むよう援助していること。「会員自身が自分でわかった方がいいと思ってやっています」と長田さん。これは、指導を受けた元民商事務局の経験者から学びました。

 和歌山県連の課題は、税金対策部員の養成。今年の7月から月1回の役員会で、全員がテキストを使って学習を開始します。講師は長田さんです。

(新聞「農民」2019.8.5付)
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2019年8月

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