「農民」記事データベース20191104-1383-01

国連「家族農業の10年」
地域から未来をつくる!

紀ノ川農業協同組合 有吉裕梨

関連/プラットフォーム・ジャパン第2回総会


地域プラットフォーム 第1号
和歌山で誕生

 家族農林漁業プラットフォーム和歌山(以下プラットフォーム和歌山)は10月18日に和歌山市の県JAビルで「家族農林漁業プラットフォーム和歌山設立記念フォーラム」を開催しました。8月22日に行った学習会以降、多方面への呼びかけを重ね、農業・林業・漁業に携わる人たち、消費者、研究者など、約120人が集まりました。

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「持続可能な米づくりをめざして」という思いを込めて参加者が持参した稲

 家族農林漁業者の価値を発信

 家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン代表であり、公益社団法人全国愛農会会長の村上真平氏が「〜期待される家族農林漁業〜平和で持続可能な社会を築くために」というテーマで記念講演しました。

 講演の中で村上氏は家族農林漁業という名称について「人間を養う食べ物を生産し、人間の生きる基盤である自然環境を守り、また、生物多様性を保護し、地域コミュニティーを守り、地域に根ざして行われるものを意味している」と述べました。つまり農業・林業・漁業を生業(なりわい)としている人は食や環境、文化を守る人々であるということです。

 そして、「持続可能な社会の実現には長い目でものを見て、自然環境や一人一人がちゃんと生きていけるということや、人と人がつながり支え合う関係性を守ってきた家族農林漁業者の存在が重要であり、家族農業の価値を社会に発信することがプラットフォームの役割である」と述べました。

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講演する村上代表

 農家として生きる意味わかった

 プラットフォーム和歌山の入会者は7団体86人となりました。入会者からのメッセージでは「農家として人間として生きていく意味が分かった」という若手農家の言葉や、農林漁業の万能性を改めて感じたという方もいました。自分たちの生業に対する誇りの再認識が会場の至る所で起こっていたのが分かります。

 プラットフォーム和歌山を結成し、活動していくにあたって情報共有・相互理解が深まることを期待しています。なぜならば理解や共感こそが家族農林漁業者に勇気や希望、生業に対する誇りを与え、自分たちの力で和歌山から日本の未来を作っていくという力に変わっていくと信じているからです。

 家族農林漁業プラットフォーム和歌山に賛同し、誇りを胸に活動していく和歌山の家族農林漁業者、そして消費者の姿をこれからも全国、世界へと発信していきます。


プラットフォーム・ジャパン第2回総会

活動の強化へ体制確立

 常務理事に農民連

 家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)の総会が10月10日、東京都内で開かれ、約40人が出席しました。FFPJは国連「家族農業の10年」にのっとった農政の転換を日本でも実施していくための組織。6月の結成総会に続き2回目となる今回の総会では、組織運営の中心に座る理事などの役員を新たに選出し、日本国内での家族農業の振興を本格的に進めるため体制を固めました。

 総会に続いて開かれた第1回理事会では、代表、副代表などを承認するとともに、日常の組織運営に責任を負う常務理事を選びました。農民連は事務局に再選されるとともに、吉川利明事務局長が、理事、常務理事に選ばれました。

 再選された村上真平代表(全国愛農会)は、社会を平和で持続可能にするため、ともに取り組んでいきたいと決意を述べました。

 この日は、家族農業の10年を世界で進めていくために作成されたグローバル・アクション・プラン(世界行動計画)の学習会も実施。これに基づき、日本の行動計画にあたるナショナル・アクション・プラン(国内行動計画)を作成し、現在見直し作業中の食料・農業・農村基本計画など、農政に反映させていくことを確認しました。

(新聞「農民」2019.11.4付)
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2019年11月

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