GMナタネ自生調査で
食農市民ネット学習会
調査結果を行政・企業に示し対策要請を
食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)は10月17日、衆院第2議員会館内で「2019年遺伝子組み換えナタネ自生調査院内学習会」を開き、調査の結果報告と、農水・環境両省との意見交換を行いました。
 |
開会あいさつする食農市民ネットの天笠啓祐共同代表 |
全国的な調査結果について、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの纐纈美千世さんから報告があり、全国37都道府県で取り組まれ、総検体数906、ラウンドアップ耐性の遺伝子組み換え(GM)ナタネは27、バスタ耐性のGMナタネは39だったことが語られました。
調査に携わった各団体が報告。生活クラブ生協は、兵庫県に対してGMナタネの監視活動やこぼれ落ち、飛散が起きないよう港湾施設や製油会社に万全な対策を求めて申し入れていることを報告。コープ自然派事業連合は、神戸市に対して、神戸港の自生の現状を伝え、拡散防止とナタネの抜き取りを申し入れたほか、製油・製糖工場へも申し入れを行いました。
グリーンコープ共同体は、岡山県議・市議全員に調査への参加を呼びかけ、福岡県に対して市販メーカーへのアンケート結果を伝えました。熊本県では、県・市町村に対して、監視や飛散防止のための指導を行うよう求める署名活動に取り組んでいます。
遺伝子組換え食品を考える中部の会は、調査・抜き取り活動の結果を示し、製油など関連会社に対し、抜本対策の申し入れを行い、輸送トラックの通行禁止や自生ナタネの撤去などの成果を勝ち取っています。
その後、農水・環境両省と意見交換。市民側からの調査範囲の拡大を求める声に対し、「範囲の拡大を検討したい」「みなさんの調査結果を参考に、何ができるか検討したい」などの回答を引き出しました。
最後に、食農市民ネットの河田昌東共同代表が「市民のみなさんによる自発的で全国規模の調査は、世界でも例のない貴重なもの。プライドをもって調査に取り組み、さらに結果を積み上げて、対策を迫ろう」と訴えました。
(新聞「農民」2019.11.4付)
|