「農民」記事データベース20200120-1392-04

政府・東電の福島切り捨て許さない

福島県農民連が政府・東電に
官邸前抗議・要請行動


きっちりけじめ付けるまでたたかい続ける

 福島県農民連は12月20日、「政府・東電の福島切り捨てを許さない! 官邸前抗議・要請行動」を行いました。県内各地からバス3台に分かれて100人以上が参加しました。

 首相官邸前での抗議行動で、福島県連の根本敬会長は「国と東電の巻き返しが激しくなっている。福島がきれいになり、次世代が安心して住めるようになるまでたたかいつづける」と決意表明しました。

 原発をなくす全国連絡会からは全労連の竹下武さんが連帯あいさつ。竹下さんは「賠償を打ち切るようなことをしながら、再稼働推進など許されることではありません。被害者に誠実に向き合った賠償を求め、原発ゼロ基本法の成立で原発のない日本を作りましょう」と呼びかけました。

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首相官邸に向け怒りの声を上げる福島県農民連

 東海第二原発への資金提供に怒り爆発

 国会議員会館内に場所を移して政府・東電への要請行動を行いました。

 要請ではまず、東電が賠償を切り捨てながら日本原電の東海第二原発への資金提供を行うことへの怒りが爆発。「賠償資金を確保するため」と言う東電に対し、会場から、「東海第二の利益では出資額は到底回収できない」と指摘を受けても、資金提供の根拠を示しません。参加者は重ねて、「賠償を滞らせている東電が出資することはモラル的に正しいのか。根拠も示さず国民をばかにしている行為だ」と指摘しました。

 営農再開前提の損害賠償などありえない

 また、避難指示区域の生産者には2017年以降の損害について16年の3倍額の賠償がされていますが、20年以降分の損害賠償について、東電はいまだに具体的な賠償方法を示していません。

 しかも東電は営農再開の意思を賠償の前提条件とするような文書をだしています。浪江町から参加した馬場績さん(76)は3000万円以上かけて整備したほ場の、現在の荒れ果てた写真を示しながら「家にも帰れず何もできないのに、営農再開前提の賠償などふざけている。帰宅困難地域で何ができるというのか。浪江町で営農を再開したのはわずかに2%程度で、再開前提などありえない」と厳しく指摘。

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写真を示して東電にせまる馬場さん

 しかも年末になっても賠償方針が示されないことについて「賠償方針も決まらず、どんな気持ちで新年を迎えろというのか」と早急な対応を要求しました。

 汚染土の再生利用で環境庁が強硬回答

 汚染土の再生利用について、環境省は南相馬市内で高速道路の路盤に埋める実証試験を計画しています。「道路に埋めるということは、あとで取り出すとは考えにくい。実質的な最終処分になるのでないか」との指摘に対し、環境省は「処分の一形態ではあるが最終処分ではない」と回答。「道路があり続ける限り、汚染土は残るではないか」と追及するものの、かたくなに「最終処分ではない」と繰り返しました。

 福島県農民連の要求に対し、政府・東電は真しに応えない姿勢に終始。最後に根本会長は「私たちのスローガンは『被害者では終わらない』。きっちりけじめをつけるまで、たたかい続けます」と引き続きたたかう決意を述べました。

 行動には日本共産党の紙智子、岩渕友参院議員も駆けつけました。

(新聞「農民」2020.1.20付)
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2020年1月

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