32万人入場のイベントも中止
暖冬、コロナ感染拡大…
花の市場価格が暴落
チューリップ生産農家、農協も、地域も、大打撃
富山
これまでに例のない暖冬でチューリップをはじめ春に咲く花の開花が早まり、市場価格が暴落しました。
東海地方のあるチューリップ切り花生産者は通年の価格の3分の1から2分の1でしか売れないと嘆いていました。さらに新型コロナウイルス感染の影響で様々なイベントの中止が相次ぎ、花の需要が激減しています。
花業界は長引く不況で経営をやめる生産者があとを絶たない中、今度の新型コロナウイルス感染拡大での影響は深刻です。
富山県砺波市では恒例の砺波チューリップフェア(4月22日〜5月5日)が中止となりました。フェア実行委員会では入場料や物販の収入で約1億8千万円の収入を見込んでいました。
昨年の入場者は約32万人でしたが、例年飲食や宿泊などを含めた経済効果は20億円と地元紙で報道されています。今年のイベントは一切中止で、市民公園として無料開放するようです。
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昨年の砺波チューリップフェア(大花壇) |
富山県花卉球根農業協同組合もこのフェアにむけて、園内のチューリップ球根の植え込み、管理に携わってきていますが、中止の決定を聞いて非常に残念に思っています。
併せてこの期間に予定していたチューリップ切り花、鉢物の販売や球根の予約受け付けなどすべてが中止となり、この損失額も相当なものになります。せっかく用意したものなので、近くの施設での展示や割引での販売などでの対応に追われています。
(富山県農民連 水越久男)
(新聞「農民」2020.4.13付)
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