各地でGMナタネを検出
遺伝子組み換えナタネ自生調査
2021年報告会
ゲノム編集トマト配布など
新たな段階に対応した調査を
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは7月10日、2021年遺伝子組み換えナタネ自生調査報告会を都内の会場とオンラインで結んで行いました。
キャンペーンの纐纈美千世さんが開会あいさつに立ち、「自生調査は17年目を迎え、毎年新たな発見がある。ゲノム編集トマトが配布されたもとで、今後調査をどのようなものにしていくか、みなさんとともに考えていきたい」と述べました。
全体報告をキャンペーンの原英二さんが行い、21年は7団体が取り組み、37都道府県で合計885検体(キャンペーン集約分)のナタネを採取。除草剤ラウンドアップをまいても枯れない性質(RR耐性)をもつ遺伝子組み換え(GM)ナタネが5、除草剤バスタに耐性をもつもの(LL耐性)が35、両方の除草剤に耐性をもつものが1だったことを報告し、「ここ数年、RR耐性の割合が減り、LL耐性が増えている」と分析しました。
各団体が創意と工夫で調査実施
各団体が報告を行い、生活クラブ連合会は、総検体484で、LL耐性が10でした。横浜では、農民連食品分析センターとともに、子どもたちも一緒に検査しました。
あいコープみやぎは、32検体を採取し、LL耐性が5で、すべて石巻市内で見つかりました。仙台では、理事と職員が参加し、調査体験と情報を共有しました。
2年目となるパルシステム東京は、情報誌で呼びかけ、不自然に自生しているナタネを見つけたら、写真と検体を送ってもらいました。19検体が集まり、GMナタネはありませんでした。
なのはな生協(千葉)は、鹿島港(茨城県)でキャンペーンと合同調査。10検体を採取し、LL耐性1に両耐性1でした。
コープ自然派事業連合は、四国4県と兵庫、大阪、京都、奈良で調査。67検体採取し、兵庫で1、大阪で一つが擬陽性でした。一昨年GMナタネが大量に発見された神戸港は、昨年からきれいに除草され、企業側と連絡を取り合って対策をとってもらう必要性を強調しました。
グリーンコープ共同体は、RR耐性3、LL耐性20だったことを報告。福岡では県内60市町村に、給食への遺伝子組み換え食材使用の有無などを問うアンケートを実施し、37自治体から回答があったことを述べました。グリーンコープでは、独自に「non―GMOマーク」をつくり、運動を進めています。
遺伝子組換え食品を考える中部の会は三重県内での調査の結果、291の検体でRR耐性16、LL耐性20でした。さらにハタザオガラシ、イヌカキネガラシなどの雑種ナタネの調査も行っています。
農民連食品分析センターの八田純人所長は、ナタネの自給率が1%以下の日本で輸入される世界のGMナタネは46品種あり、調査可能なのは35品種。このうち日本で流通が認められているのは16品種であることを報告。「引き続き調査を進めよう」と呼びかけました。
自給率上げ、有機食材増やそう
自治体にも調査結果を伝えよう
その後、キャンペーンの天笠啓祐代表、中部の会の河田昌東さん、分析センターの八田所長によるトークショーが行われました。
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討論する(右から)天笠、河田、八田の各氏 |
最後に天笠代表が「GMやゲノム編集食品を止めるためには自給率をあげ、有機食材を増やしていくことが大事。自治体などにも働きかけよう」と閉会あいさつをしました。
(新聞「農民」2021.7.26付)
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