ジェンダー平等の実現を
農民連女性部がオンライン学習会
ジェンダー平等は
家族農業と食料主権の要
農民連女性部が9月30日、家族農業とジェンダー平等をテーマにオンライン学習会を開き、80人が参加しました。参加者の中には、農民連の女性会員はもちろん、男性会員や、農民連会員でない一般参加の男性もいて、高い関心が伺われました。
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真剣な面持ちで聞き入る参加者 |
講師には、愛知学院大学准教授で、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン常務理事の関根佳恵さんを招きました。
関根さんは、そもそもジェンダーとは何か、ジェンダー平等とは何を目指すのかを、ていねいに解説。またフェミニズムや女性解放について、「理不尽な男性にこぶしを振り上げて怒る、強い女性を連想してしまうが、これは大きな誤解」と述べ、「フェミニズムは、女も男のように振る舞いたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではなく、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想のこと」という社会学者の上野千鶴子さんの言葉を紹介しました。
そのうえで関根さんは、「私たちは、弱者は悪である、淘汰されてもしょうがない、と思い込まされており、それが女性自身の中に潜む“弱い自分が悪い”という自己嫌悪に結びついている。ジェンダー平等には社会や制度の変革も大切だが、女性自身が自分の中の偏見に気づき、固定観念から自分を解放していくことがその大切な第一歩になる」と訴えました。
また国連「家族農業の10年」でも女性の役割が大きく評価されていることを紹介すると同時に、新自由主義的な政策のもとで福祉が切り捨てられ、介護や育児、家事など女性の負担がますます重くなっている実態にも詳細に触れ、ジェンダー平等が食料主権の要であることが強調されました。
女性たちのリレートークでは、各自の状況を振り返りながらジェンダー平等への率直な思いが次々と語られ、家族農業の発展にジェンダー平等が欠かせないことを確認し合いました。
(新聞「農民」2021.10.25付)
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