第2回
なんてったって!伝統食
継いでいきたい日本の食の会 
栗原澄子
  
 炊き込み御飯
秋の味覚を楽しむ 
ぎんなん(銀杏)
がんもどき
 私の勤める学校には何本も大きなイチョウの木があり、落ちてくるぎんなんは強烈なニオイのために生徒たちからは嫌われものでした。しかしこの食材を使わないなんてもったいない。調理実習のメニューにしました。
 がんもどき(関西では飛竜頭という)は、豆腐の中にさまざまなものを包み込んで油で揚げ、大根おろしとポン酢やショウガしょう油で食べます。中に入れる具を変化に富ませればご馳走になります。がんもどきの名前は、鳥のガンが高価で美味な鳥で下々の庶民にはめったに食べることがでず、その肉に似た代用品を作るようになり、それが「がんもどき」になったという説や、肉食を禁じられていた僧侶たちがガンの味に見立てて考案された精進料理という説があります。 
  ◆ぎんなんの処理 
  (私のやり方です)
 落ちたぎんなんを靴で踏んで外皮と果肉を破る。外皮と果肉をゴム手袋で洗い落とす。核の部分をきれいに洗いザルにあげて日に当てて乾燥させる。
 金づちかぎんなん割り器で割り、かたい殻を外す。鍋の湯の中でゆでながら、お玉の背でぎんなんをこする。薄皮がはがれてきたら取り出す。この薄皮をむいたぎんなんを冷凍しておけば、そのつど料理の時に使える。 
 
  
  ぎんなん炊き込み御飯
 
 
 材料(4人分)
米 2カップ 
水 2カップ 
だし昆布 10×10センチ 
鶏もも肉 80グラム 
ごぼう 50グラム 
ぎんなん 30個 
柚子皮のせん切り 少々 
(調味料) 
酒 大さじ2 
みりん 小さじ1 
塩 小さじ1/2 
しょうゆ 大さじ1・1/3 
作り方 
 (1)米はよく洗って水を切り、炊飯器に水とだし昆布を入れる。 
 (2)鶏肉は小さめの角切りにする。 
 (3)ごぼうはささがきにして水につける。 
 (4)ぎんなんは殻を割り、薄皮をとる。 
 (5)(1)の米に(2)(3)(4)の具を加え、炊く直前に調味料を入れ、一混ぜしてから炊く。柚子の皮を千切りにして盛り付ける時に散らす。 
  
 がんもどき
 
 
 材料(4人分)
木綿豆腐 1丁(300グラム) 
きくらげ 小5〜6個 
無頭海老 50g 
ゆでぎんなん 30個 
にんじん 30g 
大和いも 40g 
卵白 1/2個分 
片栗粉 大さじ1/2 
小麦粉 大さじ1/2 
塩 小さじ1/4 
(A) 
薄口しょうゆ 小さじ1 
みりん 小さじ1 
酒 小さじ1 
水 大さじ1 
揚げ油 
作り方 
 (1)木綿豆腐はゆでてザルにあげ、水気をよく切る。きくらげは水に戻し石づきを取り除き、千切りにする。にんじんは千切り、エビは1センチのぶつ切りにする。大和いもは皮をむいてすりおろす。 
 (2)鍋に(A)を合わせてきくらげとにんじん、エビを汁がなくなるまで煮て冷ます。 
 (3)すり鉢に豆腐を崩して入れてすり、すった大和いも、小麦粉、片栗粉、塩、卵白を入れて、よくすり混ぜる。フードプロセッサーを使ってもよい。 
 (4)(2)の汁気を切って(3)に混ぜ合わせ、ぎんなんも加え、8〜12等分にする。 
 (5)サラダ油を手につけ(4)を丸く形作り、170度の油で揚げる。好みで塩やしょうがしょう油、大根とポン酢をつけて食べる。 
  
        (新聞「農民」2021.11.15付) 
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