「農民」記事データベース20220425-1502-09

旬の味


 疫病の次には戦争が始まるという世界の歴史通りに世の中は動いた。一時的に景気は低迷し、冬の期間を経て再び時がくれば春を迎えるのだろう。自分の周辺もすっかり春を迎え……いや、むしろ通り過ぎて初夏の暑さかと思うほどである▼春の草種は栄養価の高いものが多く、牛も人も待ち望んだ季節ではあるが、中には毒を持つものもある。ワラビやキンポウゲ科の黄色く小さい花を咲かせる草は、一見可憐(かれん)でかわいらしいが、有毒なので牛が食わないよう丁寧に抜いて回らなくてはならない▼ぬかるんだ道を走る軽トラックのタイヤに付いて繁殖し、道際に多く生えてくる。外来種ではオオキンケイギクがよく見られるようになった。田舎でさえ在来の背丈の低い草たちは段々と身を潜め、生命力の強い外来種がドンドン攻め入って来る▼人間社会であればとんでもないことだ。しかし、地球全体からすれば適者生存。私たちも激しく揺れ動くこの時代に適応して生きる強さを身に付けなくてはならない。

(T)

(新聞「農民」2022.4.25付)
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2022年4月

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