農家のための
税金コーナー
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導入近づくインボイスの問題点
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官製不況を起こす消費税
そもそも消費税には大きな欠点
そもそも消費税には大きな問題があります。「消費税」という名前ですが、もともとは「付加価値税」としてヨーロッパなどで導入されていたものです。
消費者の消費に課税するのではなく事業者が作り上げた付加価値(=人件費+利益)に課税するものです。
なぜこんな税金が生み出されたのか。消費税は輸出に対して、仕入れ分の税額が還付される仕組みになっています。自由貿易が推進される中、各国が企業に輸出補助金を出すことが禁止となり、補助金という形をとらずに何とかできないかとひねりだされました。
日本でもトヨタなど輸出大企業が消費税で多額の還付を受けています。
しかし輸出をしていない大企業も消費税導入をこぞって推進していました。これはなぜか。森井じゅん税理士は「中小零細事業者にとって重い負担となる消費税を導入し、そのシェアを奪うのが狙い」と指摘します。
森井さんは合わせて、「国は生産性の向上をうたいますが、生産性は付加価値をかけた時間や人員で割ったものです。付加価値に課税することは生産性やGDPの向上に逆行しています。官製のスタグフレーション(景気低迷と物価上昇が同時に起こる)を引き起こす消費税は、30年間日本が一人負けしていた一因です」と日本経済に大きなダメージを与えていること指摘。財政出動の効果を骨抜きにしている実態を明らかにしています。
インボイスは消費税を税率変更なしに増税に導くものです。「まやかしだらけの消費税は今すぐ減税、インボイス導入は中止に!」の声を大いに広げ、参議院選挙で一大争点に押し上げて、中小農家を守る政治に変えていきましょう。
(新聞「農民」2022.6.27付)
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