酪農家を見捨てない農政に
農民連青年部副部長 山村 聡
(酪農 群馬県長野原町)
投票に行って、要求を実現しよう
エサの高騰が非常に厳しい状況です。飼料が毎月キロ当たり5円値上がりするような状況です。わが家では毎月何十トンとエサは必要ですので、毎月5〜10万円程度、経費が増える状況です。経費は2倍くらいに増えてしまっていると思います。
そもそも、値上がりしたエサの価格はなかなか元には戻りません。これまでは規模拡大を進め、飼料の運送・購入コストを下げることで何とかやってきましたが、品薄、高騰しているなかで、エサの確保が大変になっています。
規模拡大で借金を抱え、辞めたくてもやめられない農家も多くいます。すでに県内でも「酪農家が廃業した」との話が出ており、近くの酪農家も一軒離農しました。
一番の問題は生産コストに乳価が見合っていないことです。しかし個人が乳価を上げるのは大変なので、せめてエサ代への補助を強化してほしいと思います。牛のエサは、酪農家には毎日必ず必要なものなので、規模の大小にかかわらない支援となり、離農の歯止めにもなります。東日本大震災時に、同様の支援を被災農家にしていた先例もあります。
選挙では、苦境の酪農家を見捨てない農政に変わることを願います。
(新聞「農民」2022.7.11付)
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