学生たちと楽しく餅つき
福岡・糸島農民組合 鬼木恵美子
  
 ワイワイ ガヤガヤ 
みんなで
 いつもは静かなわが家(福岡市西区)の庭。ワイワイ、ガヤガヤとお祭りみたいににぎやかでした。12月28日に学生たちとの餅つきが行われました。
 
  
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    ついた餅をちぎって粉にまぶして  | 
   
 
 “食に関心のあるメンバーでつくったサークル”の仲間たちを中心に集まった九州大学の学生たち。朝からうす、きね、せいろう、モロブタ等々と一つ一つ説明しながら準備し、本番を迎えました。 
 勉強よりも難しい
 初めてという学生がほとんどのなか、“勉強よりも難しい”と四苦八苦。どうにか餅らしくなるものの、なかなか大変です。
 用事で訪れた農民連の仲間のお父さんは急きょ「餅つき指導員」になり、「おいしそう、同じお米ですか」の質問に「まいった、まいった」と。それでも最後は十分うまくなりました。 
 帰郷みやげは“手つき餅”。 
 
  
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    慣れないけど一生懸命に餅つき  | 
   
 
 平和への思いを込めて
 思い起こせば学生との交流が始まってから6〜7年余。アフガニスタンで凶弾に倒れた医師、中村哲先生のDVD上映がきっかけでした。アフガンでの先生の行動、発言に感銘を受け、取り組んだ上映会で出会った一人の学生から交流の輪が広がりました。
 卒業し、それぞれの分野で苦難の道を歩んでいる彼らは学校を出る前、「がんばって!」の言葉とともに、後輩を連れてきました。今日の祭りの主人公たちもその後輩たちです。 
 中村先生、そして卒業していった学生たちへの「ありがとう」は何度言っても言い尽くせません。巣立っていった学生たちからの引き続く便りも大きな力となっています。 
 
  
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    鬼木さん(右から3人目)を囲んでみんなで記念撮影  | 
   
 
 今、農業をめぐる問題を一つとってみても大変な状況です。「どうなるの? 日本」とかつてないほど不安の声も多い。 
 農民作家、山下惣一さんについての著書『振り返れば未来 山下惣一聞き書き』(不知火書房)を読みながら、日本の農業がいかに今の政治にほんろうされてきたかを考えています。 
 ここ数年をみても、TPP(環太平洋連携協定)加入、種子法廃止、種苗法改定、インボイス(適格請求書)導入問題……とよくもまあ次から次へと……。 
 私たち自身がしっかりと見、聞き、自分の頭でしっかりと考え、行動することがいまほど、問われているときはないのではないでしょうか? 
         (新聞「農民」2023.2.20付) 
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