「農民」記事データベース20230807-1564-01

農民連の「提言」パンフを携え
対話・懇談を全国各地で

食料・農地について今こそ本気で

 農民連が作成した『新農業基本法への提言』と『アグロエコロジー宣言(案)』の2つのパンフレットを広げようと、いま全国各地で普及活動や勉強会が行われています。千葉県農民連も副会長で全国連副会長の小倉毅さんを先頭に両パンフを手に、生産者や自治体首長を訪問しました。


千葉県農民連
大規模農家と旭市・米本市長を訪問・懇談

米150ヘクタールなどを耕作する
染谷 茂さん(柏市)

 7月18日、農民連会員で柏市の米農家、染谷茂さんを訪れ懇談。染谷さんは米150ヘクタール、小麦41ヘクタール、大豆22ヘクタールなどを生産する大規模農家で、政府の農政審議会の委員を務めていたこともあります。

 「形だけじゃなく食料のこと、農地のことを本気で考えないと日本は大変なことになる」と今の農政に危機感を示す染谷さん。「今回の『提言』では、国内自給について政府の責任を法律に明記し、目標計画を国会で決めるように求めている」と小倉さんが応えます。

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小倉さんからパンフレットを受けとる染谷さん(右)

 小学校の田植え授業や市民の米作り体験の場で染谷さんはいつも「なぜ日本の主食がずっと米であるのか」を説明していると話します。「それは日本の風土・気候が米作りに合っているからだと。でも、皆さんが植えた田んぼの隣のイネは飼料用米と言って、家畜のエサになるんですよ、と伝えるとハッと考えてくれる。食文化を知ってもらい、食料の問題を理解してほしい」と話す染谷さん。小倉さんは「文化や自然環境を含めた循環型の農業体系を広げよう、という運動がアグロエコロジーです」とパンフレットを手渡しました。


市の営農者支援の参考にしたい

千葉県旭市長
米本弥一郎さん

 小倉副会長は翌19日、越川洋一県連会長と旭市の米本弥一郎市長を訪問。旭市は、米や野菜などの耕種農業、豚を主とした畜産のどちらも国内有数の産出額を誇る農業がさかんな自治体です。

 越川会長が房総食料センター(横芝光町)の理事長時代に、米本市長が同センターで働いていた、という経緯があり和やかな懇談となりました。

 「農業従事者の高齢化、後継者不足という問題は旭市も全国と同じ」と話す米本市長。「営農に関わる様々な費用が高騰し、農産物への価格転嫁ができない厳しい状況の中で、市としてどう対応すればいいのか。資料として参考にしたい」とパンフレットを10冊ずつ購入し、新聞「農民」読者になりました。

 懇談を終え、越川会長は「市長自身も、市議になる前は畑をやっていた。地域の農業を憂える思いは一緒だ」と話しました。

 小倉さんは「今の日本の食料・農業の問題を多くの人に理解してもらい、国民的議論の中で新基本法の中身をつくっていかないといけない。このままだと、また同じ道の繰り返しになってしまう」とパンフレットのさらなる普及への意欲を語りました。

(新聞「農民」2023.8.7付)
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2023年8月

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