原水禁世界大会(長崎) 
福島の大学生がスピーチ
運動を受け継ぎ 
核も原発もない社会に
  
 8月7、8日に行われた原水禁世界大会長崎では、福島からも多くの学生たちが参加しました。代表してスピーチをした圓谷美範(つむらや・みのり)さんのメッセージを紹介します。 
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 私が核をめぐる問題に関心を持つようになったのは、東京電力福島第一原発事故がきっかけです。原発事故が起きたのは私が小学1年生のときでした。 
 当時は外で遊ぶことや、水道水を飲むことを禁止され、放射能という初めて聞く言葉に不安と恐怖を感じていました。私たちは慣れ親しんだ家を離れることはしませんでしたが、この事故によって故郷を離れたくなくても離れざるを得なかった方たちがたくさんいます。多くの人を苦しませ悲しませた原発事故があったのに、いままた原発を推進する政府の姿勢に怒りをおぼえます。 
 汚染水の海洋放出について、公正な対話の場もないまま、国は漁業者との約束を破ろうとしています。民主主義の日本において、話し合いで約束したことを蔑(ないがし)ろにすることがあっていいのでしょうか。 
 唯一の戦争被爆国でありながら核の傘にしがみつく日本。恒久平和を掲げながらも、大軍拡が平和のための抑止力だと言います。 
 
  
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    スピーチする圓谷さん(一番右)  | 
   
 
  活動する皆さんは心強い存在
 こうした分断の中で私たちができることは、原発や海洋放出、核兵器、平和について一部の人ではなく、多数の人が話し合い声を上げていくことだと思います。
 私たちの世代は戦争を経験していません。しかし私が今こうして「核兵器は許さない」と声を上げることができるのは、被爆者の皆さんをはじめ、核兵器をなくすために声を上げ続けてきた方々がいるからです。 
 平和で自由な社会を目指すために活動する皆さんは、私にとってとても心強い存在です。この運動を受け継ぐ世代として、たくさん学び話し合い、核のない平和で自由な社会に前進できるように、皆さんと力を合わせていきたいです。 
         (新聞「農民」2023.9.11付) 
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