地震大国・日本に原発は無謀
石川農民連 会長 宮岸美則
東日本大震災・福島原発事故から13年
能登半島地震から考える
原発の耐震安全性は…
3月9日に金沢市で、「石川県原発を考える女性の会」が、長年石川県の原発の調査を続けている、新潟大学の立石雅昭名誉教授を迎えて、今回の能登半島地震が起こったメカニズムについての講演が行われました。
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講演する立石名誉教授 |
17年前に輪島を中心に地震があり、3年ほど前から珠洲で群発地震が続き、少し収まったかと思われたときに、マグニチュード7・6という巨大地震が起こりました。
輪島市門前町鹿磯港では最大4・9メートルの隆起が起こりました。志賀原発のある赤住海岸では、10センチの隆起が確認され港からの船の出入りができなくなりました。
農業被害の調査もこれからですが、能登半島全体が動き、液状化現象が加賀市や富山県、新潟県でも起きており、いかに巨大な地震であったかと言えます。
地震地帯の真上に建てられているのが志賀原発です。立石先生は、志賀原発の危険性を一貫して訴えられていました。今回の地震で外部電源が一時的に止まり、トランスから油が大量に漏れ出していました。北陸電力は、安全性に問題はないとしていましたが、深刻な事態があったのではないかと推測できます。
志賀原発がたまたま運転中でなかったことは幸いでしたが、原発があることが危険そのものです。原子炉建屋には使用済み核燃料があり、冷却し続けなければなりません。「使用済みであっても処理するところがないのです」と先生は強調されました。
海岸が隆起し冷却水を取り入れるところが安全なのかと心配です。原発の再稼働なんてとんでもない話です。
地震地帯のなかにある志賀原発は、廃炉にしなければなりません。
今回の地震を受け、また立石先生のお話を聞いて、改めて原発反対の運動に取り組まなければならないと思いました。
(新聞「農民」2024.3.25付)
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