「農民」記事データベース990503-404-03

7年前に会員6人で旗上げし、いま266人に―その躍進のヒミツは!?

貴重な須賀川農民連(福島)の活動

 さる三月二十二日夜、福島県須賀川農民連・結成七周年と会員百五十世帯達成祝賀会が、市内のホテルで須賀川市長や地元の保守派の県議二人、国会議員では松本善明議員(代理)など組織外からも参加して盛大に開かれました。


決めたことは必ずやり切る

 ここの仲間づくりは、そう派手には見えませんが、私の耳に残っていたのは、いつか松川正夫会長が、車のなかで「出来もしない目標は掲げないが、決めた目標は必ず達成すことにしている」と言った一言でした。だから、去年の県連の大会で、「三月二十二日に、百五十世帯を達成して、七周年を祝うんだ」と聞いたとき、必ず達成すると思っていました。
 その通り、百五十三世帯、女性会員は百十三人、計二百六十六人です。
 九二年に六人で、新婦人の野菜ボックスに取り組む六人の仲間が県農民連に加盟。
 九三年・二十四世帯、九四年・七十世帯、九五年・七十六世帯、九六年・百二世帯、九七年・百二十世帯、九八年度・百五十三世帯(二百六十六人)

何よりも要求実現を柱に

 税金の自主申告(全員)、米(七十人)と野菜(キュウリ三十人)などの産直や市場出荷と税金の自主申告(自主申告だけの人は五十人)が共通した要求です。そのほか様ざまな交流会を開いたり、女性部は家庭バレーボール、干し柿作りなどの加工、そば打ち講習会、バレンタインデーに向けてのフラワーアレンジ、新年会など多彩な活動をしています。
 さらに、国会や自治体への請願活動や署名、須賀川市長(いわゆる革新ではないが)とも農業についての懇談・提案もし、いくつか実現するなど、数えきれないくらいに活動をしてきました。これらの要求は切実ですから、党派を超えて農民連に加入しています。

党派を超え“壁”を作らない

 どの政党に所属しようが、どの党を応援しようが全く自由で、気兼ねなく、安心して農民連に入っています。この壁を作らない、要求を大事にした活動――ここに一つの大きな特徴があり、たとえば、保守系県議の後援会役員がここの農民連の副会長をしていることにも端的に表れています。

仲間を増やすキメ手はこれだ

 単組の総会で目標を決めると、ふだんに増やしてくれる人もいますが、達成出来そうにない、となると早めに手をうちます。次は、松川さんや会員の話です。
 (a) 役員会の出席は非常にいい。革新系より無党派の人の方がまじめです。ここでは県連の方針や新聞「農民」の記事を討議します。
 (b) 仲間に入ってもらう目当ての人の名前をあげてもらうのは、「比較的新しい会員に頼むといい、古い会員は挙がらない(タネ切れ?)」と言います。
 (c) 挙げてもらった目当ての人を役員がいっしょに訪ねたり、会員の家に二〜三人集まってもらって、役員が話して入会してもらいますが、「そのときにはもう会員がたいがいのことは話してある」「税金の計算が終わってから入会をすすめるなんて遅い!その前に会員がもう話してある」
 (d) 「村で信用のある人が紹介してくれると入る人が多い。こちらから壁を作らないことが大事」

新たな峰をめざして

 「一定の水準になると拡大がとまる」というジンクスを打ち破って新たな峰をめざそうと須賀川の人達は張り切っています。そのカギは、これまでのここの組織の組織拡大の経験の中にあるように思える一夜でした。

(小林節夫/新聞「農民」1999.5.3付)
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1999年5月

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