「農民」記事データベース20010129-478-18

演劇

劇団1980「謎解き 河内十人斬り」

河内音頭にのせて珍解釈


 ♪エーさても一座の皆様方へ…という文句で有名な河内音頭。大阪の盆踊りは、ダイナミックな歌と踊りに魅力があります。その河内音頭のなかに「男持つなら熊太郎・弥五郎、十人殺して名を残す…」で知られる「河内十人斬り」があります。

 明治時代に大阪・南河内郡赤阪水分村に起きた一家十人惨殺事件を詠んだ実録物です。しかし、当時の警察発表や新聞報道と音頭の内容とはずいぶん食い違っています。劇団1980が上演する藤田傅・作・演出の「謎解き 河内十人斬り」(原案・季闘士男)は、この事件の真相を大胆にさぐるというものです。

 物語は寿司屋の音頭丸率いる売れない河内音頭一座の面々が、ひとやま当てようと挑み始めた「河内十人斬り」の珍解釈。音頭に詠まれた事件の経緯を唄入り曲入り実演でたどりながら、意外な事実を解き明かすというものです。登場人物たちによるナマ演奏が全編に組み込まれています。

 出演者のひとり柴田義之さんは、謎解きの中心的な太鼓打ちの人物にふんします。「十年前に初演した作品。そのときは河内音頭という芸能に興味があって熱中しました。事件が起きた時代は、日本が初めて海外と戦争をするという騒然とした時代です。農民にも過酷な税金がかけられ、農民一揆も起きています。河内音頭のなかで、事件の謎がいかに解けるかということが主題です。今回の上演が東京芸術劇場ミュージカル月間公演ということもあり、三味線や太鼓の技術も向上、音楽バージョンをアップするとともに、謎を解くというメッセージも的確に伝えたい」と語ります。出演はほかに藤川一歩、加瀬慎一、小川美千代ら。

(鈴木太郎)

 2月1日〜4日、東京・池袋・東京芸術劇場中ホール。連絡先=劇団・電話03(3321)7898

(新聞「農民」2001.1.22・29付)
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2001年1月

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