「農民」記事データベース20020617-543-09

知らずに食べている遺伝子組み換え大豆

「表示機能せず」キャンペーンの調査で判明


輸入大豆の半分が遺伝子組み換え

ほとんどを油で消費!?

 遺伝子組み換え食品いらないキャンペーンは五月二十三日、遺伝子組み換え食品の表示調査を行い、結果を公表しました。調査はスーパーなどで大豆や大豆加工製品を購入し、製造した企業に対して、遺伝子組み換え大豆の「使用」、「不使用」、「不分別」の表示などについてのアンケートを送付し回収。遺伝子組み換え大豆が含まれているかどうかの分析も行いました。

 和光堂の製品から検出

 アンケート結果によると、購入した二十三品目のうち「不使用」の表示は十三品目、表示のないものが六品目、回答拒否が三品目(いずれもダイエー)でした。また、分析したもののうち、表示のなかった和光堂の「WAKODOボンラクトアイ」から遺伝子組み換え大豆を検出し、原料が米国産であったことが明らかになりました。

 調査結果について、キャンペーンの天笠啓祐代表は「回答にあったのは不使用か表示のないものだけ。遺伝子組み換え原料を使っていることを表す『使用』と『不分別』の表示はなかった。消費者が、選択できる表示になっていない」と話します。

 混入五%以内は「不使用」?

 昨年一年間に日本で使われた大豆の約七五%はアメリカからの輸入です。アメリカでは二〇〇一年の大豆作付面積の六八%が遺伝子組み換え大豆だと言われており、日本で使われる約半分が遺伝子組み換え大豆だという計算になります。

 また、輸入大豆の八〇%が食用油に用いられています。このため、組み換え遺伝子の検出が困難な油用の大豆は、ほとんどが遺伝子組み換えの可能性があり、私たちは知らないうちに、遺伝子組み換え大豆を食べている恐れがあります。

 さらに、現在の表示制度では、製品に含まれる遺伝子組み換え原料が五%以内であれば「不使用」と表示できます。今回混入が確認された和光堂のボンラクトアイは、混入五%以下ですが、体の小さい乳幼児が食べる食品です。今回調査した和光堂の「お豆と鶏肉のうま煮」の原料は国産大豆で、組み換え遺伝子は検出されていません。安全な食品を供給すべき、食品企業の姿勢が問われます。

(新聞「農民」2002.6.17付)
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2002年6月

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