「農民」記事データベース20020624-544-04

農業委員三期目にいどむ大分・津久見市神田一彦さん

鳥獣被害対策で大活躍

多彩な農民の要求とりあげ成果


 大分県津久見市の神田一彦さんは、農民連会員の農業委員です。この七月の農業委員選挙に立候補します。

 津久見市はリアス式海岸の地形で平野部がなく、耕地は山地の急傾斜に階段状に開畑されています。排水が良好のため古くからミカン栽培を主体とした柑橘生産が農業の中心。近年、ミカンの価格暴落が続き、また高齢化も進み、後継者不足が深刻な悩みとなっています。専業農家は年々急速に減少し、荒廃園が増えています。そのうえ有害鳥獣の被害が追い打ちをかけています。

 神田さんは甘夏とサイクイーンを主体にスイート・スプリング、清美、デコポン、カボス、レモン、ユズ、柿、ビワなどすべて無農薬で栽培しています。また、いんげん豆、大根、スナップえんどう、レタス、ほうれん草などの野菜も、完全に無農薬で栽培しています。作ったミカンや野菜は県内で産直しています。

 神田さんは、二期六年の間に農業委員会の本来の役割を発揮させるとともに、農民の要求を実現しています。農地転用などの審議だけで終わっていた委員会で毎回意見を出し続けた結果、他の委員からの発言も多くなり、「委員会に活気が出てきた」などの声が市民から聞かれるようになりました。

 また、有害鳥獣の被害、特に猪がミカンを食い荒らす被害を受けている農民の要求を事あるごとに取り上げてきました。その結果、市が百万円を拠出し「猪捕獲箱罠」を二十個作り、各地区へ貸し出しました。関係地区の農民から大変喜ばれ、県内から問い合わせがたくさんありました。

 また、有害鳥獣の被害の実態を全市で行うよう要求し、種類ごとの調査結果を公表させるとともに、被害対策の予算も増額させました。近年は猿の集団(子連れ)が果樹のみならず野菜類までに被害を与えています。神田さんはその対策を要求し、専門家を招いての学集会も開かせています。

(大分県連 阿南勝也)

(新聞「農民」2002.6.24付)
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2002年6月

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