「農民」記事データベース20020624-544-09

演劇

市民手作りのミュージカル

第16回 がんばれ! 日本国憲法


 市民手づくりのミュージカル第十六回「がんばれッ!日本国憲法」(主催・憲法劇実行委員会)が五月十一日、十二日、横浜市の神奈川県立青少年センターホールで上演され、三ステージ、千七百余人が観劇しました。八十人を超える出演者、スタッフによって上演された憲法劇は、有事法制の欺まんと危険を告発し、平和憲法が日々の暮らしを支える大切なものだと訴えました。

 十六回目にして初めて農業問題がとりあげられたのは、実行委員の山村友美さんの提案。出演した小学生から高齢者までが、毎日の食生活そのものが日本の農業と深くかかわりがあることを練習や上演の中で体験。農業問題は一人一人の問題だと発見しました。

 虫に食われて売れないキャベツをすき込む畑で、若者や主婦、農民同士、農民の親子が葛藤する場面。「農業って、命を生み出す仕事なんだ」「オヤジ、俺も農業やるぜ」という舞台に客席で涙する観客もいました。

 山村さんは新聞「農民」の読者。収穫直前の米の「青刈り」や外米を輸入しながらの減反、激増する輸入農産物に憤りを持ち「今度の憲法劇は絶対に農業問題を取り上げたい」と実行委員会企画部に提案。農民組合神奈川県連の生産者から話を聞き、大筋の台本を書き上げました。

 その台本を読んだ生産者は「消費者であるみんなにとって、農業を守るとはどういうこと?」「毎日の食事は、食わされているのか、食わざるを得ないのかを考えたらどうか」などと、手厳しく批評。山村さんは涙することもありました。

 しかし、演劇経験の少ない若者たちが、農業問題を舞台にのせようと必死で取り組んでいる姿を知り、生産者は励まされ、勇気づけられました。

 食と農、生産と消費が結びついている。このことを発見できる力が演劇にはある――私は憲法劇を通して実感しています。

(三好 豊 神奈川農畜産物供給センター、元・劇団展望劇団員)

(新聞「農民」2002.6.24付)
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2002年6月

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