「農民」記事データベース20020930-556-07

殺すより、増やさない

害虫防除 (20)


各野菜の害虫 サツマイモ

 サツマイモの害虫にはハスモンヨトウ、土壌センチュウ、カメムシなどのほか、イモキバガとコガネムシがあります。

 1 イモキバガ(イモコガ)

 (1)見分けかた

 幼虫は葉を折りまげて巣をつくり、その中で葉を食害します。葉をひろげると、すばやく歩き出します。

 幼虫は体長一・五センチくらい、円筒形で細長く、体の前部は黒色で、後半部は白地に黒色の帯があります(図〈図はありません〉)。五月初めから現われ、六月〜九月に被害が多い。食害された葉は、初めは白く見えますが、穴だらけになるとしだいに枯れ、イモの収量が減ります。

 (2)防ぎかた

 (1)苗床や本畑で発生するので、被害葉を見つけたら、早期に防除します。

 (2)この虫は、ヒルガオという雑草でも増えるので、除草する。

 2 コガネムシ類

 (1)見分けかた

 イモの表面に黒色の不規則なみぞがあるのは、土の中でコガネムシ類の幼虫が食害したキズあとです。この傷口から病原菌が入り、被害が拡大することが多い。

 イモを食害するコガネムシには、アカビロードコガネ、ヒメコガネ、ドウガネブイブイがあります。幼虫はこのシリーズ十一回目の写真を見て下さい。種類によって大きさは違いますが、いずれも頭部は黄褐色で体は乳白色です。

 なお、イモの表面にキズをつける虫には、ヒョウタンゾウムシやハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)があります。これらの食いあとは、コガネムシよりもキズが細くて、みぞが深いので、およその区別はつきます。

 (2)防ぎかた

 (1)幼虫は土の中にいるので防除が難しい。成虫は堆肥の臭いに誘われて卵を産みにくるので、畑の近辺に未熟堆肥を置かない。

 (2)病害虫の出る畑では連作をひかえる。

桑山洋三(農の会会員)

(新聞「農民」2002.9.30付)
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2002年9月

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