「農民」記事データベース20020930-556-11

旬の味


 二年前に中山間地直接支払制度を受けるために十二人で組合を作り、年に一度、共同の草刈り作業を行っている。一方、休耕田は、猪の泥浴で荒らされた跡が生々しい。この制度を活用した取り組みが全国で行われているだろうが、中山間地の荒廃は、予想以上に進んでいるのではないかと思い、その流れを地元から追ってみた▼百七十キロ先にあったのは巨大な“ギロチン”と呼ばれる諌早干拓の潮受け堤防。長さ七キロ、万里の長城のような威容を誇っている。「戦後の食糧増産体制の手本となったのは八郎潟干拓だった」と当時、研究主査の人と話した▼諌早干拓は昭和三十五年から始まり四十年まで調査、漁業補償のもつれから遅れに遅れて着工。四十五年に減反政策が行われても、予算がある以上、環境への悪影響もなんのその「予算のためなら」と強行。現場は雑草が茂っているだけだ▼島原半島は秋ジャガのほかニンジン、ホウレン草が育っている。普賢岳の大噴火から立ち直った人々の元気さが印象に残った。「きばる」という言葉がピッタリだ。

(督)

(新聞「農民」2002.9.30付)
ライン

2002年9月

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