「農民」記事データベース20021014-558-08

旬の味


 産直米の初検査があり、作柄を心配したが、九月の好天でもち直し、仲間の米が全量一等となった。食糧事務所の係官は五十項目の検査基準で米を格付けするが、米を見ると同品種でも粒の表情が異なり、作った人の性格まで分かるという。眼力には脱帽した▼小さな米粒が数千年にわたって人類を養い、国土を守り、歴史を育んできた。種の保存と自然の摂理の中で品種改良を営々と続けてきた。ところが、人間がまだ一度も食したことのない除草剤をかけても枯れない遺伝子組み換え稲を国が認可し、実用段階に入った。科学技術を否定しないが、なぜそこまでやるのか。農民はそんな稲を作りたくないし、食べたくもない。命をつなぐ食糧は最も安全でなければならないはずだ▼良い種子を交換しあい、農業の発展を期して百年以上続けている秋田県種苗交換会が近く開かれる。県内外から七十万人も集まる。農村の疲弊を救うため団結する農民組織を作る目的だった。創設者の石川理紀之助翁の有名な言葉がある。「寝て居て人を起こすことなかれ」。

(長)

(新聞「農民」2002.10.14付)
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2002年10月

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