「農民」記事データベース20021021-559-09

山形・庄内の特色生かした惣菜・漬物

自宅に加工所作って次々と

 庄内農民センターの佐藤朝子さんは、昨年二月に加工所を作って、長女の理恵さん(26)と加工を始めました。九月に農民連女性部が主催した加工交流会での佐藤さんの報告を紹介します。


 農業は米と菌床キノコ、だだちゃ豆などを作っています。シイタケは二十五〜六年前から始めましたが、施設も古くなり、作業もきつくなってきたのでそろそろやめようかと思っていました。

 ところがちょうどその頃、農業改良普及所の加工講習会に参加したのがきっかけで、シイタケと昆布の佃煮を試しに作ってみました。規格外で商品化できないシイタケをたくさん干して貯めこんであったので、なんとか加工しようと思ったのです。これが案外、好評だったので販売しようと心に決めました。

 キノコの部屋を漬物の加工所に

 また農協婦人部の漬物加工のグループにも入っていたので漬物のノウハウもあったし、お父さんの「加工所を作ったら」という勧めもあったので、キノコの部屋を改築して、惣菜と漬物の加工所にしました。普及所や保健所にいろいろ聞いて、指導を受けました。

 漬物と惣菜、別々に部屋を分けて、流しとガス台、冷蔵庫を付け、保健所の基準もあってお手洗いも水洗にしました。大きい鍋を使う時は大きな流しがないと不便なので、そこはこだわって大小両方の流しを作ってもらいました。お金もなかったので、農協から四百五十万円借りて、年四十五万円と利息を、まあなんとか払っています。

 販売は、直売所と、生協の農民連漬物・惣菜の常設コーナーが一店舗、生鮮も合わせた農民連コーナー(週三回)が三店舗、生協の夕市に週一回、出しています。手数料が生協などに二割引かれます。この他、米産直をしている神奈川の保育園のバザーや、去年・一昨年は東京の米屋さんのイベントにも出かけていきました。

 品物は、キノコと昆布の佃煮の他、ベニバナで色を付けた大根漬けやヤーコンのキンピラ、ヒタシ豆などなど、ちょっとずつ色々作っています。「もう冷蔵庫カラだぁ」と言われるほど人気があって、やはり地域の特色を生かすことが大切だと感じています。

 水煮しただけの大豆が大好評

 最近、国産の水煮大豆がすごく売れるようになりました。ただ水煮して真空パックにしただけですが「アレ、また無くなったんだがやぁ」というくらい売れます。また、黒豆も自分の家で黒豆を育てて(乾燥するのがたいへんですが)煮豆にして、とても好評です。

 それからコンニャクも自分で芋を植えて作っています。コンニャク製造業の許可がないので、惣菜の素材として使って、売っています。

 漬物は、庄内は酒どころでおいしい酒粕がたくさん手に入るので、粕漬けが多いです。漬物によく使う和芥子は隣の余目町産を使っています。

 別の許可が必要になるので、今はまだやっていませんが、本当は赤飯やおかきなども作りたいと思っています。


 ★メロン子漬け★

 〔材料〕メロン子(ナス、キュウリ、どんな野菜でもOK)…4キロ塩3合(これが基準。1年持つので早く出す場合は塩を少なく。遅く出す場合は3合) 和芥子(粉)…1合

 〔作り方〕 (1)これで3日間下漬けする。汁が上がってくるので、汁を捨ててさっと洗ってから本漬けする。(2)本漬けは芥子3合、砂糖1キロをまぶして樽に入れ、その上に布袋に入れた粕一・五キロを入れ、粕袋を重しにして漬ける。蓋をして置く。(3)長く置けば置くほど、味がしみ込んでおいしくなる。

(新聞「農民」2002.10.21付)
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2002年10月

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