「農民」記事データベース20040712-643-02

より厳密なBSE検査を

米大手食肉企業の労働者が声明


米国内でも世論広がる

 世界最大の食肉企業、タイソンフーズに働く労働者が発表した声明に、アメリカのNGO、消費者団体などから次々と賛同が寄せられ、大きな声になりつつあります。

 「労働者と消費者は、タイソンフーズとアメリカ農務省に対して、日本人の懸念にこたえるBSE検査の強化を要求する」と題した声明は、ワシントン州バスコにあるタイソンフーズの食肉加工工場で働く千五百人の労働組合、チームスター労組五五六分会が発表したもの。

 声明は、「タイソンなど大手の食肉企業は、食品の安全対策を弱め、世界中の消費者に損害を与えている。アメリカ農務省もこの圧力に屈して、国内外の消費者をBSEの危険にさらしている」と批判。安全対策を強く望む日本の消費者の声を無視して、輸入を再開させようとしている食肉企業の本音は、「日本人の意見がほしいのではない。お金がほしいだけ」と厳しく指摘しています。

 また、クリークストーン社などが自主的な全頭検査を言い出したことについては、「大手企業が反対したために農務省は承認を見送った」と告発。そのうえで、タイソンフーズに対しては「アメリカと日本の消費者を尊重して、より厳密なBSE検査を行うこと」、アメリカ農務省に対しても「食肉企業で働く労働者の公衆衛生の保護と雇用の安定」を求めています。

 チームスター労組五五六分会は、日本の全労連にも労働争議への支援を求めており、七月下旬に来日する予定。大手食肉企業の横暴勝手を許さない国際的な連帯も広がりつつあります。

(新聞「農民」2004.7.12付)
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2004年7月

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