「農民」記事データベース20040726-645-03

参議院選挙の結果について

2004年7月15日 農民連常任委員会


一、参議院選挙は、「自民か民主か」という「二大政党」の流れが強力につくられるもとで、自民党が後退し、民主党の躍進という結果になりました。

 また、年金や消費税、憲法、農業など、日本の政治の焦点になっている問題の解決と、「アメリカいいなり」「大企業中心」という日本の政治のゆがみの大もとをただし、国民中心の政治の実現を訴えた日本共産党が後退したことは大変、残念でした。

一、「二大政党」の流れは、財界を後ろ盾に、昨年の総選挙で危機に陥った自民党政治を延命させ、政治のゆがみの大本には手をつけず、政権の担い手だけを焦点にするというものでした。この「二大政党」の流れが今度の選挙でも強く作用し、「ともかくこの政治を変えたい」との思いが民主党に集中しました。

一、小泉「改革」が、あらゆる国民に痛みを押しつけているもとで、自民党政治の基盤が崩壊し、今回の選挙で業界団体への利益誘導と締めつけが通用せず、業界ぐるみ候補の多数が落選しました。農林関係でも、比例代表で全国農政協が唯一、推薦した元農水官僚候補が落選したのは、その象徴でした。

 対話のなかでも、地域で自民党政治を支えてきた方々が自民党支持から離れていく状況を目の当たりにしました。危機を打開するための公明党頼みも十分作用しなかったように、自民党政治の危機が一段と深化したことが大きな特徴でした。

一、「二大政党」は憲法改定と消費税増税を共通する旗印とし、農業・食糧問題でも、マスコミが「自民、民主とも農政の基本路線では大きな違いはない。国際化に耐えうる構造改革を進める……という方向性では一緒だ」と報じています。こうしたもとで、「米改革」や「農業構造改革」、そして、日本農業を重大な危機に導くシナリオである「食料・農業・農村基本計画」の見直しが打ち出されようとしています。

 こうした動きに対抗して、国民の要求を基礎に、草の根からたたかいを巻き起こし、新しい政治の流れを広げることは、これからの日本にとって、いよいよ重大になっています。

 こうしたとりくみを国民的な規模で広げるなかで、「二大政党」の動きの本当のねらいが国民的な体験を通じて明らかになっていくことでしょう。

一、農民連は、小泉政治によるいっそうの農産物の輸入自由化や、「米改革」をはじめとした「農業構造改革」のもとで、苦悩する多数の農民への働きかけと組織の拡大強化のために全力をあげるものです。また、食の安全・安心、食料自給率の向上を願うすべての国民、中小流通業者などとの共同を草の根から広げ、このたたかいを、政治革新の流れと結びつけて全力をあげるものです。

(新聞「農民」2004.7.26付)
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2004年7月

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