「農民」記事データベース20040726-645-05

畑の一角で直売所安全・採れたて販売

「千葉県女性農業委員の会」初代会長に農民連会員の斉藤教子さん(船橋)

現状を農村女性に知らせともに農業守っていきたい


 「千葉県女性農業委員の会」が今年三月、県内十五人の女性農業委員で発足。会長には、八年前に千葉県初の女性農業委員に当選した船橋市の斉藤教子さん(農民連会員)が就任しました。同市坪井町の直売所を訪ねて、抱負などを聞きました。

 言いたいことを言う

 昨年オープンした斉藤さんの直売所は、小学校の隣の畑の一画にあります。「トマトおいしかったわ」「おばあちゃんの具合はどう?」。ひっきりなしにお客さんが訪れ、十分、二十分とよもやま話に花が咲きます。稲岡夏子さんは、「まわりの自然を残したいから」と毎日のように通ってきて、店番をつとめてくれます。

 時にはお客さんから「オクラないかしら?」などと陳列棚に並んでいない野菜を注文されることも。そんな時は、畑に行って採れたてを販売。「へぇー、オクラって上を向いているんだ。初めて知った」と、お客さんもニコニコ顔です。

 「地元で採れたもの、作る人の顔が見える安全なものを食べたいという消費者の願いを実感します」という斉藤さん。農業委員になって以来ずっと、「農家の直売所に市として援助を」「公民館の駐車場を朝市に開放できませんか」と要請してきました。

 そして、「今年、初めて市が前向きな回答をしたんです」。農業委員・農業モニター・消費生活モニターの交流会の席上での消費者の強い要望がきっかけでした。「女性はわりとしがらみにとらわれず言いたいことを言うんです」と斉藤さん。「そんな声が農家のためになればいいですね」。

 女性の社会参画ぜひ

 六月に開かれた「女性農業委員の会」の会合では、県農業会議から講師を招き、農業委員の仕事と役割について学習しました。十五人の女性農業委員のなかには、まだ日の浅い人もいます。斉藤さんも「あらためて農業委員って何でもできると思った」というほど充実した学習会でした。

 男女共同参画を推進する千葉県。「農林水産業では、女性が経営に関わるとともに社会参画、つまり物事を決める場に積極的に参加していくことが大事。農業委員会もそういう場です」と農林水産部の担当者。県はさらに「女性農業者の会」やJA女性部協議会など八団体で「千葉県農山漁村女性団体ネットワーク」をつくり、女性の社会参画を支援しています。

 同ネットワークの副会長も兼務する斉藤さん。「米や野菜の暴落の原因が輸入の急増にあることなど、本当のことを多くの農村女性に知らせ、一緒に農業を守っていきたい」と抱負を語っています。

(新聞「農民」2004.7.26付)
ライン

2004年7月

HOME WTO トピックス&特集 産直・畜産・加工品 農業技術研究
リンク BBS 農民連紹介 新聞「農民」 農とパソコン

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-23-2
池袋パークサイドビル4階
TEL (03)3590-6759

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会