「農民」記事データベース20040726-645-08

佐久楽農倶楽部通信


ヒョウ被害に救いは…

 参院選の結果もそうだが、今年は何ともイヤな年。七月九日夕の降ヒョウ被害は、長野・佐久地方の農家にとって最もイヤな出来事だろう。

 関西の生協関係者が生育調査に来て、佐久楽農倶楽部のトウモロコシ、キュウリ、トマト、モロッコインゲンなどの畑を回っている時だった。四時半ころに浅間山方向から黒雲が現れ、空を覆い、つむじ風が畑土を巻き上げ始めた。

 佐久産直センターに、小諸市のレタス農家から一報が入った。「ダメだ、ヒョウだ。あっ、やられてる」。畑からの携帯電話の声は悲痛だったという。県産直協の塩入幸枝事務局長をはじめ四人が、佐久から現地に直行。畑に人影はすでになく、葉がちぎれ飛び、棒でぶったたかれたようなレタスの惨状が広がっていた。

 「おっかなくてすぐに家へ引き返し、車庫の中でじっとしていた」と、翌朝会った年配の男性。その時の恐怖を「直径五センチもあるゲンコツみたいな、でっかいのが降ってきた。こんなのは初めてだ」と語る。車のフロントガラスが割れたのだから、逃げ帰った気持ちがよく分かる。

 レタス、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなどの被害額は十三億円を超えたそうだ。センターに一報を入れた農家は、六月後半から出荷が始まったので、いくらも稼がないうちにやられてしまった。被災の翌日には、新しい苗を植える作業を始めていたが、収穫は八月下旬になるだろう。夏野菜の一カ月半の無収入は計り知れない痛手だ。

 軽いキズを受けただけの農家は、「こんなときこそ生協が助けてくれたらよいのに」という。しかし、軟弱なレタスは回答が出るまで待てなかった。

(浄)

(新聞「農民」2004.7.26付)
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2004年7月

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