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シアトル、韓国、ローマ訪問

全国食健連が報告集会

関連/世界的に運動広げよう


 「NO!WTO 食料と農業を守れ!が世界の本流に」十二月九日、全国食健連は、「全国一斉共同行動」・国際行動報告集会を開きました。WTO閣僚会議決裂から一週間足らず、興奮覚めやらぬ参加者は、シアトル、ローマ、韓国を訪問し、世界に広がるWTOノーの世論と運動を見聞してきた代表団の生々しい報告に熱心に耳を傾け、同時に発表された「WTOに関する国際シンポジウム」(別項)の成功を誓い合いました。

 この国際行動は、WTO協定改定の運動の国際連帯と交流を深め、合わせて「国際シンポ」の準備のためにとりくまれたもの。「極端に自給率が低い日本で、農家が減反に苦しめられているという事実は驚きだったようだ」(ローマを訪問した坂口正明・食健連事務局長)、「WTOに対するわれわれの考えにすべて賛意が得られた」(韓国・全国農民会総聯盟と懇談した谷口一夫・農民連事務局長)、「アメリカの野望の破綻に確信をもち、おおいに奮闘したい」(WTOシアトル会議に参加した真嶋良孝・農民連事務局次長)と、各氏が生々しく報告(シアトル韓国の詳報2・8面)。

 99グリーン・ウエーブ「食と農、地域経済を守る全国一斉共同行動」では、地域経済を守るという点で商工会議所への申入れなど、各地でさらに共同の幅を広げようととりくまれたことが紹介され、岩手、滋賀の代表が経験を発言。坂口氏は、「それぞれの国内での運動で政治を変えていくことが国際連帯の土台になる」と、さらなる運動の前進を呼びかけました。また、超党派議員団の副団長としてシアトル会議に参加した日本共産党の中林よし子衆院議員があいさつしました。


世界的に運動広げよう

食健連望年会広範な参加で盛り上がる

 十二月九日、WTOシアトル会議代表団の報告会のあと、全国食健連“望年会”がにぎやかに開催されました。茨城県西産直センター直送の色とりどりのシクラメンが飾られた会場には、全国各地から約百人が参加。農民連のほか、労働組合や生協、新婦人、学者・研究者、国会議員など、広範な人々が集まりました。参加者は、WTOシアトル会議での運動の世界的な広がりにおおいに確信を深め、各地から持ち寄った地酒も入って、笑いと希望にあふれる望年会となりました。

 AALA(日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)の秋庭理事長はマイクを握って、「発展途上国はいまなお飢餓と貧困に苦しんでおり、日本の減反などは絶対に許されない。WTOシアトル会議では、アメリカの覇権は許さないという非同盟諸国の声が世界の流れであることが示された」とあいさつ。世界の農業情勢に詳しい暉峻衆三農業・農協問題研究所理事長も「WTOの影の部分を是正しようという声が予想以上の速さで広がってきた。海外のNGOがメールで、シアトル会議の決裂を“我々は勝利した”と送ってきた。だが世界の資本と権力はまだあきらめていない。農民、労働者、市民は国内でも、国際的にも団結しよう。農民連・食健連も世界に乗り込んで、どんどん意見を主張してほしい」と激励しました。

 つづいてシアトルへの代表らが次々と報告。農民連女性部長の高橋マス子さんは「シアトルでは世界中の農村女性たちがWTOにノーをつきつけた。全米家族農業経営連合(NFFC)との会談では、アメリカの農村女性たちも遺伝子組み換え作物に反対であり、日本の持続的な農業のすばらしさも交流できた」と報告。また「食糧の生産と消費を考える研究会」の石井正江さんは「シアトルでは日本の消費者の声を精いっぱい主張してきました。日本のお米を炊いて振る舞ったところ、アジアのNGOにも大好評でした」と笑いをさそいながら発言しました。

 盛り上がったところでヒューマンファーマーズの演奏も飛び出して、望年会は大盛況のうちにおひらきとなりました。

 望年会には日本共産党から松本善明衆議院議員、須藤美也子、大沢辰美参議院議員が出席、あいさつしまた。

(新聞「農民」1999.12.20/27付)
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1999年12月

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