新聞「農民」
「農民」記事データベース20190211-1347-03

日欧EPA発効に抗議

関連/進む酪農家の廃業・離農
  /日欧EPA 2月1日から発効


 全国食健連は、日欧EPA(経済連携協定)が発効した2月1日、東京・新宿駅西口で、抗議の宣伝を行いました。

 農民連の吉川利明事務局長がマイクを握り、昨年12月に発効したTPP(環太平洋連携協定)11で牛肉の輸入が急増し、日欧EPA発効でチーズ、ワインを特売するなどメガ自由貿易協定(FTA)の発効で農業に計り知れない悪影響がでることを告発し、「統一地方選挙、参議院選挙で安倍農政を変えよう」と訴えました。

 全農協労連の星野慧書記次長は、今年から国連「家族農業の10年」が始まることを紹介し、「飢餓・環境問題を解決できるのは小規模・家族農業。メガFTAから離脱し、食料自給率をあげることが大事」だと呼びかけました。


日欧EPAの発効で
北海道の酪農民が怒りのコメント

進む酪農家の廃業・離農

北海道農民連副委員長 石澤元勝さん(酪農家・厚岸町)

 日欧EPAが発効した2月1日の朝、当地はマイナス15度でした。酪農家は毎朝5時から搾乳などの乳牛の世話をして、毎日きちんと働いて生乳を出荷しています。

 北海道の生乳の8割は乳製品に加工されています。日欧EPAの発効で、大量の安いチーズがヨーロッパから輸入されることになれば、いずれ北海道のチーズは売れなくなり、私たち酪農家が受け取る生産者乳価も値下げされるのはまちがいありません。

 酪農家は日欧EPAの締結など誰も頼んでいません。それなのに勝手に結んでおいて、経営を圧迫するのを許すことはできません。怒り心頭です。

 それでなくてもここ数年、北海道の酪農家は毎年約200戸が廃業・離農を余儀なくされています。TPPや日欧EPAでこの流れはさらに加速するでしょう。

 農業は工業と違い、一度離農すれば再開するのはとてもたいへんなことです。続けていることが何より大事なのです。今すぐ日欧EPAから離脱し、日本の農業のたて直しをはかるべきです。

(新聞「農民」2019.2.11付)
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