「農民」記事データベース20020610-542-05

「農地と地域農業守る」

特集 農業委員会

―各地のとりくみから―

関連/産廃埋め立てやめさせた
  /地道に多彩な役割発揮
  /「農家の声を実現したい」
  /農民連会員が会長に
  /農業委員選挙 地域農業守る大切な機会
  /女性の要求をさらに反映/三期目の選挙に全力で挑戦


農業委員

女性の要求をさらに反映

斎藤教子(千葉県船橋市)

 私は農業委員になって今度の選挙が三度目になります。

 農村から選ばれた女性の農業委員は、船橋市のみならず千葉県内で、私一人ということを農業委員になって知りました。

 初めはめずらしさもあってか、十カ所ぐらいの市町村から講演を依頼されました。銀行員から農家に嫁いできた時の苦労話や農業の実態、農村で女性が果たしている役割、私たちの生活が政治とは無関係ではなく、直接結びついていることなどを話してきました。

 最近では、農業高校の先生から「生徒たちに農業の魅力について話をしてほしい」と依頼されました。体育館で五百人ほどの高校生たちを前に話しました。最初は、どこから来たかもわからないおばさんの話をふんぞり返って聞いていた男子高校生がだんだん身を乗り出し、目を輝かせながら、私の実体験を聞いてくれ、すごくうれしくなりました。

 話し終わった後の交流会では、男子高校生が「農業は継ぎたくないと思ってたけど、やってみようかな」と発言。女子高校生からは「農家の子から付き合ってほしいと言われたけど、農業が嫌いだから断ったんだ。でも話を聞いて、付き合うことにしました」と照れながら、「あの子だよ」と教えてくれました。

 私自身、自分のたどってきた道を話しながら、改めて農業のすばらしさ、魅力を見返しました。そして、高校生たちのまっすぐな目を見ていると、私も頑張らなければと、元気がでました。

 農業従事者の半数以上が女性です。女性の要求や願いを農業委員会に、もっと反映させていくことが重要だと感じています。

 日本の食料と農業を守ろうと消費者とともに頑張っている農民連のお母ちゃんたちが、一人でも多く農業委員選挙に立候補することを期待しています。農業委員会にお母ちゃんパワーを吹き込もうではありませんか。


農業委員

三期目の選挙に全力で挑戦

岸本辰彦(北海道当別町)

 私が農業委員をしている当別町は、水田転作が六〇%を超えています。これは、生産者米価が生産費を大きく割り込むなかで、何としても農業経営を守っていこうとする一つの選択肢でもありますが、国民の主食をないがしろにする農政に憤りを感じながら、農業と農地を守っていこうと農業委員の活動を行ってきました。

 私が一番力を入れてきたのは、農業委員会として農政上のさまざまな課題や地域の問題について、委員全体の合意で建議し、自治体や国に対する現場の意見をあげていくことでした。ミニマム・アクセス米の削減、セーフガードの発動、BSE問題など意見書を採択するとともに、学校給食に地元産のお米や野菜を供給するようにと要望してきました。

 学校給食については、ようやく地元の農産物が使われるようになってきました。お米は全量、地元のものにするために、農協にも働きかけ、全力で取り組んでいきたいと思っています。

 当別町農業委員会には、農地、農政両委員会に加え、砂利特別委員会があります。私たちの町は、石狩川流域ということもあって、農地の下には砂利が埋まっている所が多くあります。砂利を掘らせた後、何もしなければ農地が荒れる危険性が高いことから、この特別委員会で、採取後も農地として確保できるように管理などを行うようにしています。

 今度三期目をめざすにあたって、水田を守るとともに、転作も多いことから、対中国セーフガードの発動をはじめ、野菜価格の安定や大豆・小麦対策にも力を傾注していきたいと思っています。

(新聞「農民」2002.6.10付)
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2002年6月

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