「農民」記事データベース20101122-950-09

TPP参加と食料自給率向上
絶対両立しない(2/4)

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菅政権

参加判断は来年6月に決定

韓国では アメリカとのFTA先送り

画像 菅内閣は11月9日、TPP(環太平洋連携協定)について、「関係各国との協議を開始する」との基本方針を閣議で決定しました。基本方針では、「協議開始」を情報収集のためなどと言っていますが、TPP参加に向って走り出したことは明白です。仙谷官房長官は、「TPP交渉に参加するかどうか決める判断は、来年6月前後」と表明。前原外相は「参加をある程度表明しなければ、情報収集はできない」などと述べ、「一歩前進」と評価しています。

 TPPは関税を原則撤廃し、農林産物の完全自由化を進めるものです。これによって、日本農業と地域経済は壊滅します。農水省が公表した「国境措置撤廃による農林水産物等への影響試算」(表)によると、農林水産物の生産減少額は約4兆5000億円で、食料自給率は40%から13%程度に急落。農業の多面的機能は3兆7000億円程度失われ、雇用機会は350万人分が消失します。

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 菅首相は、自由化と農業再生を「両立」させると言っていますが、図のように、TPPにはアメリカやオーストラリアなどが交渉に参加し、さらにカナダが「参加を検討」し、中国が「関心」を示しています。4強の農産物輸出大国に対してほぼ例外のない自由化にするTPPと、農業の「両立」は絶対に不可能です。

 TPPへの参加は、一部の輸出大企業のもうけを最優先したものです。財界は、「韓国に乗り遅れるな」と一大キャンペーンを行っていますが、いま韓国では、G20サミット(主要20カ国首脳会議)にあわせて、農民や市民が韓米FTA反対や労働者の権利拡充を求めて、大規模な集会やデモ、座り込みを連日のように行っています。その結果、韓米FTAの最終合意は先送りされました。

 いまこそ、食糧主権を実現して農業と食糧を守り、貧困と停滞からの脱却をめざす国民的な共同を強め、ウルグアイ・ラウンド交渉時の「米輸入自由化反対」を上回るたたかいで、民主党政権を追い詰めましょう。

(新聞「農民」2010.11.22付)
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2010年11月

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