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北海道・東北ワイド特集(4)

秋 田


教え子二人、立派な後継者に

大曲農高の先生が紹介/県母親大会で大きな拍手

 第四十六回秋田県母親大会が七月十一日、大曲工業高校で開催され、安全な食べ物、農業食糧問題の分科会は超満員となりました。
 この分科会で、実に元気の出る光景に出会いました。大曲農業高校の佐藤孝喜先生の教え子二人が参加、りっぱな農業後継者になり、頑張っている姿が生き生きと紹介され、大きな拍手がわき起こりました。

農への情熱に共感

 二人とも大曲農業高校を卒業後、秋田農業短大で学び、就農。佐藤先生のお誘いで参加したもの。一人の農業後継者を育てる農業教育の大切さと、社会人になってからも教え子に関わり、農への情熱を発揮して、教え子とともに行動する教育者の真摯な姿が、参加者の共感をよびました。

井関君と河越君

 井関優(ゆう)さん(25歳)。大曲仙北地区農近ゼミナール副会長で、認定農業者。仙南村で水稲五ヘクタールと施設野菜経営に取り組み、豪雪地帯のなか冬期農業にも挑戦。ホウレンソウ、オータムポエム、チンゲンサイなどを作っています。
 河越昇さん(24歳)。水稲とカーネーション、トルコギキョウの複合経営。昨年十二月に香織さんと結婚、農業で生きていく決意を新たにしました。

若い後継者に期待

 この分科会では、遺伝子組み換えや残留農薬の問題になっている輸入食品が激増していることに不安が寄せられ、若い後継者の出現に、参加者はいのちの糧をこの二人に求めたいと、会場の教室の黒板に住所と電話が大書きされ、多くの人が書き写していきました。
 井関さんと河越さん、そして司会を担当した新婦人の阿部さんが、新聞「農民」の購読を約束してくれました。
(秋田県連・佐藤長右衛門)


1ヘクタール1千万円もかけ造成した圃場が減反田に

 秋田県平鹿郡内では、担い手育成基盤整備事業が行われ、一ヘクタールの大区画ほ場が次々と造られています。
 平場地帯の条件のいいところでも十アール百万円の造成費がかかり(うち約一割が農家負担)、一ヘクタール一枚で一千万円をかけた立派な田んぼですが、一年作付けしただけで減反され、「なんともったいないことか」の声が上がっています。
(佐藤長右衛門)


稲の生育は順調

 育苗期から田植え期の好天で順調なスタートをきった今年の水稲は、その後も引き続き高温、多照の気象条件で、分けつ数も多く、いよいよ幼穂形成期に入りました。
 草丈も平年よりやや高く、病害虫の発生も今のところ少なく、豊作型の生育相を示しています。
 一部に生育過剰のほ場も見られますが、なか乾しや満掘りの励行で、栽培管理が行き届き、あとは今後の天候次第といったところ。
(佐藤長右衛門)


近づく竿燈まつり

夕暮れの涼風にのって/練習の音、太鼓の音ここかしこで

 東北の三大夏まつりの一つ「秋田竿燈まつり」が八月四日から七日まで、秋田市かんとう大通りを会場に行われます。祭本番を前に、夕暮れの涼風とともに、はやし手の練習する笛、太鼓、鉦の音があちこちから聞こえてきます。

 今年は、佐竹藩時代に出竿していた「伝統の二町内」が復活したことが話題となっており、昨年より六本多い過去最多の二百三十八本の竿燈が出場します。
 あかりをともした無数の提灯が一斉に立ち上がり、勇壮、華麗な竿燈演技が始まると、観客からは「ドッコイショ、ドッコイショ」というかけ声がわき上がり、重さ五十キロをこす竿燈を手のひら、額、肩、腰などにのせる技が次々と披露され、祭はクライマックスをむかえます。

 夜空に浮かび上がった竿燈は、あたかも風を受けてゆれる稲穂のようです。提灯は米俵を表わしていると伝えられ、米の作柄が経済を左右する秋田の五穀豊穣を祈願するお祭です。

(秋田県連・須磨チヤ子)

(新聞「農民」1999.8.2付)
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