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近畿ワイド特集(2)

和歌山


生産意欲奪う固定資産税

来年は評価替えの年、団結し不服申し立てよう

 今年度のわが家の農地(田・畑合計で二・九ヘクタール)の固定資産税・都市計画税は百三十六万円にもなりました。十アールあたり田は五万八千円、畑は三万二千円。毎年一〇%ずつ上昇しています。このような状況は、私が住む和歌山市のような地方都市を含めた市街化区域農地では一般的です。低米価、農業機械の高価格、高額な相続税と合わせ、年々上がる固定資産税は農家の生産意欲を奪っています。

 「固定資産税を何とかしよう」と昨年秋、和歌山市農業青年クラブとJA青壮年部連絡協議会、JAわかやま組合長の三者が一緒になって和歌山県と市に要望書を提出。内容は、(1)営農継続が可能な額に、農地の固定資産税・都市計画税を軽減する、(2)農家が希望するすべての農地に生産緑地制度を適用の二点です。

 なぜこんなに高いのかというと、私の農地は七一年に市街化区域に組み込まれ、負担調整と称して年々税額が上昇する仕組みがつくられたからです。このまま続くと、試算によれば十年もたたないうちに二十万円(十アール)ほどになります。

 それに加えて、一部の例外を除き三大都市圏の特定市以外には生産緑地制度がないからです(生産緑地になれば一般農地の税額となり十アール二千円前後と二十〜三十分の一になります)。ところが前回の評価替え(九七年)の際、和歌山市と隣の海南市の農民組合員ら数人が不服審査申立を行ったところ、県と二市は建設省と協議し、ごく一部ながら生産緑地に指定すると回答しました。これは「たたかえば成果が得られる」ということを示しています。

 来年は三年に一度の評価替えの年。全国の農家が不服申し立てをして、「農業所得に見合った農地課税を」と立ち上がりましょう。

(和歌山県運 貴志正幸)


水菜づくりが楽しい

ただいま野菜栽培に挑戦中

ただいま野菜栽培に挑戦中紀ノ川農協の山中さん夫妻
 「朝起きるとトイレに行くより先に水菜を見に行く」と目を細めて語る山中利彦さん。和歌山県粉河町の紀ノ川農協の組合員です。利彦さんは、夏の農民連全国研究交流集会で「桃の木を切った後に初めて野菜作りに挑戦します」と仲間の前で宣言した山中富美子さんのお連れ合いです。十一月中旬に訪ねると、夫婦で迎えてくれました。

 粉河町は水田からミカン、現在の柿や桃の栽培に変わり、高齢化や担い手不足が進む中で、昨年の台風や病気の発生で桃を作り続けることが困難な状況。農民は「次は何を作ればいいのか」と悩んでいます。

 例年だと今ごろは、桃の木の剪定作業が始まる時期ですが、ことしは二人とも水菜で頭がいっぱい。富美子さんは、作るのが本当に楽しく、利彦さんも「来年は自分も作ってみよう」と思うようになっています。

 近所の人は、最初は「水菜は売れへんから」と言っていましたが、今は「生協に出してよかったら教えて」と変わってきています。来年は、野菜作りの仲間も増えそうで楽しみです。

(和歌山県連・宇治田悦子、紀ノ川農協・松岡登)


子らの便りにミカン農家感激

しもつコープファーム

 「しもつみかんのおじさんへ」「あまずっぱくておいしかった。あんなおいしいみかんは生まれてはじめてだった」

 このメッセージは、京都府京田辺市の田辺小学校三年生の生徒三十三人から、しもつコープファームのみかん生産者へ届けられた手紙です。みかんや自分の似顔絵が描かれているものも多く、みかんを食べた時の感動が綴られています。

 このメッセージが届いたのは、田辺小学校の野村教諭が、和歌山県海草郡下津町のしもつコープファームを訪れたことがきっかけ。

 いま、子どもたちのみかん離れがすすみ、酸味を嫌う傾向が強いと言われるなかで喜んでくれたことは、みかん農家を励ましています。

(河島 勉)

(新聞「農民」1999.12.6付)
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