新聞「農民」
「農民」記事データベース20170814-1275-08

連帯して巨大な敵とたたかう
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ビア・カンペシーナ国際総会に参加して

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世界を動かす
ビア・カンペシーナの力実感

農民連副会長
小倉 毅さん

 私は、スペインのバスク自治州ビルバオで開催された、ビア・カンペシーナ第7回国際総会に農民連を代表して、女性部の佐々木さん、青年部の平間さん、国際部の岡崎さんとともに出席してきました。

 世界の仲間の熱気に圧倒

 開催地バスク自治州の伝統芸能で幕が開き、「共同の行動を築こう」「巨大な敵と共に闘おう」「大事なことは連帯」という開会のあいさつが終わるやいなや、会場は「ビア・カンペシーナ万歳」の大きなコールが巻き起こり、その熱気に圧倒されました。

 来賓のあいさつが続きましたが、中でもFAO(国連食糧農業機関)事務局長のメッセージは、ビア・カンペシーナの存在の大きさと、世界を動かす力を感じました。

 会議は、毎日朝8時にバスに乗り、夜7時まで続きます。夜は9時過ぎまで明るく、なかなか日本では経験できない過酷なものでした。でも、湿度が少なくさっぱりとした気候で、日本のジトっとした暑さ比べると「こんな環境だったら草刈りもはかどるだろうな」と、わが家の農作業が頭をよぎりました。

 討論は、アフリカ、ラテンアメリカ、中東・北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアの各地域から報告がされ、「政治的なトレーニングと、工業的な農業と対抗するアグロエコロジーの理念と技術のトレーニングが必要」「WTO(世界貿易機関)は、農業から出ていけ。全ての自由化から農業を外すべき」「生産者と消費者をつなげる必要がある」などの意見が出されました。

 欧州の仲間と共同声明を発表

 私は2つの分散会と、1つのテーマでのパネリストとして発言しました。

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パネリストとしてマイクを握る小倉さん

 「土地、水、領域、多国籍企業」の分散会では、「世界で一番、企業が自由に活動できる国づくり」をスローガンにし、企業の要求そのままの安倍政権の実態を報告。東京都議選や沖縄市議選、国政選挙で、国民が自覚的に変化し始めており、共闘を広げ、ネットワークを強化することが求められていることを発言しました。

 また、日欧EPA(経済連携協定)では、ヨーロッパのビア・カンペシーナの仲間とともに、反対の共同声明をだしたことなどを報告しました。

 「教育・訓練」分散会のグループ討議では、TPPやWTO反対の運動を通して、農民はもちろん、労働組合、女性団体、医療関係者などと共闘を広げ、学習会、シンポ、集会を繰り返し、日本の農業の大切さを国民に訴えてきたことを報告しました。

日本のたたかいが
世界の仲間を励ます

 安倍政権打倒に全力でたたかう

 全体会では、「連帯、平和、社会正義」のテーマでパネリストとして発言し、原発再稼働ノー、戦争法、TPPに反対する運動を紹介するとともに、安倍政権打倒のため、農民連は全力でたたかう決意を表明しました。

 私は、資本主義、新自由主義の中で、さまざま条件は違えども日々学習を重ね、仲間を広げ誘い、支え合い、同じ敵と正義のためにたたかっている世界の仲間たちに敬意を表するとともに、「われわれこそが食糧を提供している」という誇りを、国際総会からもらったような気がします。

 そして、先進国の中での農民連の運動が、世界の仲間を励まし、展望を示す計り知れない価値のある事業だということをかみしめるものになりました。安倍政権打倒は、私たちだけでない、世界の仲間に対する責任でもあります。全国の仲間に訴えます。農民連の運動をともに前進させよう。

(新聞「農民」2017.8.14付)
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